知識0、お金0でホームページを作る方法

ホームページに詳しい友達に、焼肉おごって作ってもらったホームページから、数億円かかったと言われる大企業のホームページまで、同じサービスで、これだけ価格差がある商品も珍しいと思います。

知識0、お金0でホームページを作る事は可能か

今回は、新たにお店や会社を始めた人が、知識0、お金0でホームページを作る事は可能かを考えたいととおもいます。前提条件は、HTML/CSSは分からない。メールはできる(パソコンで使えるメールアドレスを持っている)。多少の手間はいとわないの3点です。

ホームページ制作会社がこのようなノウハウを提供しては、自分の首を絞めるようなものですが、世の中にホームページが増えることは良いことですのであえて考えてみました。

ターゲットとなるユーザーを考えよう

まず、ホームページのメインとなるユーザーを考えましょう。それもより具体的にです。パソコンのメモ帳を開いて、いままでのお客様を想像しながらメモしてみましょう。項目は例えば次のようなものです。

  • 性別は?
  • 年齢は?
  • 職業は?(何の業界? 会社の規模は?)
  • 年収は?
  • 家族構成は?(結婚してる? 子どもがいる?)
  • 日曜なにしてる?
  • よく読む雑誌や新聞は?
  • 商品を購入するときは衝動的?それともよく調べてから?

他にも項目は考えられますが、こういうユーザーのモデリングの仕方を専門用語でペルソナといいます。これからホームページを作っていく過程で、悩んだ場合、必ずここにもどって、このペルソナならどうするかと考えてみるひとつの指針となります。

ホームページの構成を考えよう

次にホームページの構成を考えてみます。先ほど考えたペルソナを念頭におきながら、ホームページに掲載したい内容を考えて見ます。各ページの上部に共通して掲載されるリンク(グローバルナビゲーション)をイメージして考えます。例えば、基本的な小さな会社やお店のサイトの場合、以下のような構成が考えられるでしょう。

  • トップページ(ホーム)
  • 商品紹介(サービス案内)
  • 会社概要(お店紹介)
  • アクセス
  • お問い合わせ

構成が決まったら各ページの原稿を考えます。写真やイラストで説明した方がよい箇所は、それらを作成します。ネットには無料で利用できる写真やイラストを提供しているサイトがありますから、それらを利用するとよいでしょう。(これらについてはまた別の記事で紹介していきます)

ホームページを作ってみよう

それではサイトの設計もできたことですし、早速サイトを作ってみましょう。昔でしたらHTML/CSSの本を片手に、サイトのコーディング(ここが素人には一番の難関)をするところですが、時代は変わって良いサービスがいくつもできました。JimdoやWixといった、オンラインCMS(コンテンツマネージメントシステム)サービスの登場です。

 これらのサービスでは、数多くのテンプレート構築のなかから好きなイメージのものを選び、ホームページをHTML/CSSを使わず、ワープロを使うように、「見たまま編集」することが可能です。イメージ写真と、サイトのロゴを独自のものに変更すると、オリジナルデザインのホームページが誰でも簡単に作る事ができます。

 多くのサービスでは、無料のプランを用意しています。独自ドメインが使えないといった制限はありますが、まず試してみるのには最適です。今回もこの無料プランを使う事を考えて見ます。

まずはアカウントを作る事から

それでは、Jimdoを使った場合を想定して、簡単な制作の流れを見てみましょう。

 メールアドレスとパスワードを入力して、登録をすると、ドメイン設定が表示されますので、一番上にある「無料のJimdo.comサブドメインを利用する」を選択して、サブドメインを入力します。サブドメインは、お店や会社の名前がよいでしょう。

 すると、選択したテンプレートで、すでにある程度ホームページができているのが分かります。右にいくつか操作メニューがでているので、この画面が編集モードであることがわかります。もし最初に選んだレイアウトが気に入らなければ、この段階でレイアウトを変更します。

 レイアウトにもよりますが、上にメニュー(グローバルナビ)らしきものがあるかと思います。そこにマウスを重ねてみましょう。ナビゲーションの編集というのが表示されたかと思います。それをクリックすると、ナビゲーションを編集するツールが表示されます。先ほど考えたホームページの構成にあわせて、このツールに新しいページを追加したり、順番を並び変えたりしてみてください。できたら保存ボタンを押して反映します。

jimdo_menu.png

下の大きな文字のあたりを、マウスを当ててみてください。場所によって、文字の編集ツールが表示されたり、「コンテンツを追加」という文字が表示されたりします。文字の編集ツールはクリックすれば、そのタイトルが編集できるようになります。「コンテンツを追加」をクリックすると、見出しや文章、画像や余白、さらにはYouTubeや商品カートまで、その個所に置きたいコンテンツの候補が表示されます。この機能を使ってページの構成を編集していくのです。詳しい解説はJimdoのサポートページに譲りますが、1日かけていろいろ触っていれば、なんとなくホームページの形ができてくると思います。

jimdo_edit.png

最後に右上のプレビューボタンでレイアウトを確認して問題がなければ、ホームページは完成です。

確かに知識0、お金0でホームページは出来た。しかしなにかが足りない

Jimdoは、本格的なホームページ運営には不可欠な、独自ドメインやアクセス解析は有料プランに切り替えれば使えるものの、無料プランでも使えるブログ機能が弱く、セミナーやキャンペーンの告知をしたり、ちょっとしたノウハウを連載で掲載したりといった、お客様との関係をつなぐための機能は、少し工夫が必要です。(これはまた別のブログサービスを使うことで対応できます。) 

それだけではありません。そもそも前段の、ホームページの構成を考え、各ページの原稿(文章や写真)を考えることが、思いのほか大変だったのではないでしょうか。 今回ご紹介したホームページは、5ページからせいぜい10ページ程度の規模までの方法。商品やサービスが多かったり、複雑な種類分けがあったりしてページ数が多い場合、その大変さは倍増します。

Jimdoの編集も確かに簡単にホームページができるものの、右寄せしたいものが右に行かないとか、文字を小さくしたいのに、小さくするボタンが見当たらないとか、ちょっとした自由が効かず、そこに手間取ることも。あくまでも用意されたレイアウトの中で作り上げるのが目的のシステムですから、100%自分の考えているデザインにするには、少し専門知識が必要です。そんなときはお金がかかりますが、プロの助けを借りるという手もあります。

Jimdoサポートサービス

結局、タダより高いものはない

創業したばかりの小さな会社やお店で、まだ集客もできておらず、お金はないけど、時間には余裕がある 場合は、まずは自分で作ってみる事をオススメします。手間はかかりますが、お金はかかりませんし、自分でやってみることで、事業に抜け落ちているものが見つかる可能性が大きいからです。

しかしすでに業務が忙しい場合は別です。ホームページの設計やデザイン、初期の立ち上げはその道のプロにお任せし、自分達は公開後、ホームページを通じてお客様とどうつながっていくかの1点に絞って注力したほうがよいでしょう。会社の規模に比例して、ホームページのページ数が多くなる場合も同様です。要は選択と集中。自分でやることと、専門家に任せることを区別したほうが、費用対効果は高くなります。どちらの場合も、Jimdoを使う事にこだわる必要はありません。もっと本格的なCMSを活用することを検討したほうがよいでしょう。

駆け足で説明してきましたが、知識0、お金0でホームページを作ることはできる事がわかりました。しかし、本業とのバランスを考え自分でやるか、専門家に任せるかを考えた方が良いということも分かりました。肝心なのは、ホームページを公開した後です。お店の地図さえ乗っていればよいというのであれば、ホームページは更新しなくてもよいですが、ホームページを通して、新たなお客様を獲得したいのであれば、定期的な更新は不可欠です。何を伝えればお客様の心をつかむことができるか、それだけは自分達で考えていかなければなりません。それをタダで替わりに考えてくれるサービスはありません。

(担当:小山智久)