突然、会社のウェブサイトの担当者、すなわち「Web担」に任命されたらどう しましょう。ウェブサイトの制作の知識はもちろん、文章すら書いたことがない人が、社内の人や、社外の協力会社のサポートのもと、ウェブサイトを運営していくには何を考えれば良いのでしょうか。考えてみました。
1.何はともあれサーバー情報の確認
前任者が急に退職したなどで、十分な引き継ぎができなかった場合に多いのですが、サーバーの契約情報や、FTP情報、CMSへのログイン情報等がまとめて保管されておらず、更新もできないというケースに遭遇したことがあります。いつでも担当者が変わっても運営が継続できるよう、これらの情報を確認のうえ整理しましょう。おさえておきたい情報は以下の通りです。
- サーバーのレンタル会社と、契約しているプラン(専用サーバーだった場合は保守契約の確認)
- サーバーのコントロールパネルへのログイン情報(メールアドレスを追加したりする画面 サーバーによってはない)
- サーバーのFTP情報(アカウントとパスワード)
- ドメインの契約会社と、更新日(更新忘れでドメインを失効しないように 非常に重要)
- DNSサーバーの契約会社と契約内容(ウェブサーバーと一緒か、ドメインと一緒か)
- CMSの種類と、ログイン情報、保守契約の状況
- アクセス解析の状況とアカウント
- 現在のサイトを制作した制作会社の名前と連絡先
レンタルサーバー会社によっては、決まったメールアドレスにメンテナンス情報などを適宜配信している会社もありますので、そういった情報は取得できるようにします。
これらの情報は、ドキュメントにして一覧できるようにし、パスワード等が含まれているので、金庫など鍵のかかる場所に保管しておくようにします。
2.「アクセス解析」を分析する
ウェブサイトの現状を把握するために、「アクセス解析」を分析します。サイトにGoogle アナリティクスが導入されていれば、ひと月あたりのページビュー、直帰率、よく見られているページ、ランディングページ、検索キーワードなどを抑えておきましょう。Google アナリティクスが導入されてない場合でも、レンタルサーバー会社が提供するログ解析サービスがあるかもしれません。確認してみましょう。
3.ウェブサイトのゴールを共有する
ウェブサイトに求めるもの、ゴールを、特に経営陣と共有します。アクセスログの報告とあわせて、経営陣がウェブサイトに求めるものをヒアリングします。ブランドイメージの向上といったような抽象的なものから、セミナーへの申し込み増といった具体的なものまで考えられます。それらをサイトのページビューを倍増させるとか、セミナーへのお申し込み件数を2倍にするといったような、できるだけ数値で管理できるもの(KGI)に変えて目標とするのがよいでしょう。
4.現在のウェブサイトの可能な施策を考える
経営陣と共有したゴールを実現するのに、必要な施策を考えます。例えば、セミナーのお申し込みが少ないと言った場合、アクセス解析で調べた、アクセス数の多いページに、セミナーのお申し込みページへのリンクを設けてみるなどです。並行して、KGI(最終目標)を達成するために必要なKPI(中間目標)を考え、達成に必要なサイトの改善をくり返していくわけです。
5.現在のサイトではKGIを達成できない場合はリニューアルを提案する
現在のサイトでは、目的としているKGIが達成出来ない場合、ウェブサイトをリニューアルすることになります。前回制作してもらった制作会社に再度たのむのか、また新たな制作会社に依頼するのか、KGIを提示することで、どのような提案をしてくれるかによって制作会社を選択するとよいでしょう。また、公開後の保守やログ分析まで協力してくれるのかなども確認しておいたほうがよいでしょう。
6.最後に、ウェブ制作の技術を少し勉強してみる
これを機会に、基本的なHTML/CSSの知識を身につけましょう。CMSを利用している場合でも、HTMLで入力するモードはあり、ちょっとした修正に使える場面もあると思います。また、制作会社とのコミュニケーションにおいても知識があるほうがスムーズに伝わる場面もあるでしょう。JavaScriptやPHPが書けるほどの知識は不要ですが、それぞれの特徴はしっておいたほうがよいでしょう。さらにサーバーに関する基礎知識も必要です。わからない点は制作会社に質問してみましょう。親切に教えてくれる制作会社は良い会社です。
(担当:小山智久)
キゴウラボでは、Web担当者の片腕としてウェブサイトの運営をお手伝いします。日々のログ分析から、リニューアルのお手伝いまで行います。詳しくはお問い合わせください。