数万円から数十億まで、ウェブサイトの制作費は大きな幅があります。何故こんなに価格差があるのでしょう。独断と偏見でそれぞれの価格帯でどのような制作をしてもらえるのか考えてみました。

10万円以下

 基本的にすでにあるテンプレートに、お客様が書いた原稿を流し込んで終わりというというサービスが多いでしょう。5万以下はテンプレートの色を選ぶだけ、10万以下はロゴをいれたり、メインのイメージ画像をオリジナルなものにできたりと、差はありますが、基本的なレイアウトをカスタマイズすることはできないと思います。ボリューム的にも5〜10ページ前後のサイトを対象としているでしょう。初期費用無料で、月額課金制のサービスもこれに似ています。

30万円前後 

なんで日本人は3という数字が好きなのでしょう。小さなお店や会社の方に、予算規模をお伺いすると、みんなこぞって30万ぐらいでとおっしゃいます。30万ぐらいであれば運転資金から出せる。失敗しても痛くない、そんなところなのでしょうか?

30万のウェブサイトは、基本的に小規模な静的サイトになります。CMSを実装するのはもう少し予算が必要です。その代わりデザインはオリジナルのデザインで制作することができます。ボリューム的には5ページ前後ということころです。スマホでも閲覧できるようにするには、もう少し予算がかかります。

問題は、30万では公開した後の施策、SEOであったり、SNSをつかった拡散であったり、ブログによる情報発信であったり、というところまで手が回りません。基本的に存在証明ためのあまり更新をしないウェブサイトが限界でしょう。

公開後も考えられるように、予算にもう少し余裕があれば(50〜80万前後)サイト制作にも余裕があり、公開後のご相談もうかがえるようになります。

100万円前後

このくらいになってくると、色々と本格的な仕込みができるようになってきます。オリジナルデザインは当然で、サイトのボリュームは50ページ前後と大きなサイトも可能になってきます。CMSの導入も可能で、セミナーのお知らせや、新製品の新規告知ページなども自分達で更新可能になってきます。ただ公開承認機能(ワークフロー)や指定日公開/非公開といった、企業向けの機能を使おうとすると、もう少し予算が必要です。

また、30万の時同様、予算的にサイト制作でいっぱいで、サイト公開後の支援、サイトの告知や、SNSを使った情報発信、オウンドメディアによるファン層の囲い込みといった、サイトの拡散についての施策に関する予算まではありません。それはまた別途予算を組む必要があります。

500万円前後

サイトのボリュームが、200〜300ページ前後と大きくなるだけで、基本的に100万円のときと変わりません。違うといえば、CMSが企業向けになり、サーバーのセキュリティ対策に予算が配分されることが多くなるという点でしょうか。公開サーバーと配信サーバーを別ける、CMSサーバーはSSLで運用する。といったことです。

このクラスになってくると、お客さんのほうから、サーバーやCMSの保守について相談と見積もりを要求されます。障害があってからの対応から、24時間365日の死活監視まで、予算とサイト要件にあわせて相談する形になります。

1000万円前後

サイトのボリュームが、500ページ前後と大きくなるのとあわせて、サーバー要件が厳しくなってきます。セキュリティ的な見地から、専用サーバーでなければならない、アクセス数の増大に対応するために、クラウドサーバでなければならない等です。サーバーもウェブサーバーを複数台、ロードバランサーで分散、CMSサーバー、データーベースサーバーも別途専用のものを用意します。最近はクラウドでこのようなサーバー構成を簡単に用意できるようになりましたが、予算へのインパクトが大きいので、まずはサーバー費用から調査するケースが増えてきます。

またログの分析調査であるとか、それをうけてのアクセス増の施策提案であるとか、Webマーケティングに関する要望も増えてくるのがこのクラスの特徴です

1億前後 

原子力安全庁のウェブサイトの作成予算は、1億4000万円だったそうです。おそらくサイトのボリュームが1000ページは軽くこえているとおもいます。サーバー要件も1000万代のとき同様、より厳しくなっているでしょう。ただ、このクラスになってくると、元請け、2次受け、3次受けといったように、まるでゼネコンのように受注が階層のように流れていく形になっているケースが多く、実制作をした会社が、予算をまるまるもらえるとは限りません。実際はいくらだったのでしょうね。

公共サイトで原子力ですから、サイバーテロへの対策もしなければなりませんので、ファイヤウオールの構築や改ざん検証システムの構築、ウイルスチェック、24時間365日の死活監視は当然でしょうから、それなりにインフラにはコストがかかっていると思います。

10億前後

古い例でもうしわけないですが。「小泉内閣メールマガジン」と首相官邸Webサイトの制作運営費が、年間7億円超だったそうです。安倍首相も基本的にこれにならっているとのこと。ただしこれには200万人超の読者がいるメールマガジンの運用も含みます。さすがに僕も経験ないですが、サーバーのセキュリティにかかるコスト、メールマガジンの配信負荷(メルマガは配信数が多いと多大な負荷がサーバーにかかります)、アクセスしてくる人の多さと、サーバーの負荷等を考えると、妥当な数字だ、いや高すぎるとネットでも議論がありましたが、当然ここにもゼネコン的階層があるのでしょうね。

そういえば、民主党政権時代、某首相のブログサイトを知人が制作していましたが、ギャラはいくらだったんでしょうか。とても億をもらっている感じではなかったです。

ざっくりと、予算規模にあわせてできること、できないことをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?うちならもっと安くできる、いや、そんな予算ではその規模はできないと、同業者の仲間から声が聞こえてきそうですが、500万のサイトを5ヶ月で作るのと、100万のサイトを1ヶ月で作るのは月でわればどちらも100万です。一概に高いから儲かるというものでもありません。入金サイトと運転資金を考えると、場合によっては後者のほうがよかったりします。そういう意味では30万のサイト制作も、短期間で入金があるので、無視できません。

 会社のキャパを考えて、ちょうどよい予算とサイズというのがあると思います。大きな仕事は、直接受けるより、下請けでうけたほうが、面倒なことは上流にお願いできるので楽な場合もあります。何事も適材適所で、お客様を笑顔にできればいいなと思っています。

(担当:小山智久)

キゴウラボでは、ご予算が30万〜500万前後のウェブサイトの制作、CMSの構築をお受けしています。公開後の保守やログ分析、サイトの告知、オウンドメディアの運営などについてもご相談に乗ります。お問い合わせ下さい。