月数百円で借りられる共用サーバーから、月数万円の専用サーバー、従量課金制でアクセス数にあわせてスケールアップ・ダウンをしてくれるクラウドサーバーまで、さまざまなサーバーがありますが、それぞれどんな特徴があるのでしょう。いろいろあって選べないサーバーを、住宅をモデルに考えてみました。

月数百円以下のサーバー

 集積度の高い団地です。団地ですから、勝手にペットを飼ったり、楽器を演奏したりすると怒られます。すなわち、1台のサーバーに何人も同居しているということです。

 共用サーバーのためサーバーのカスタマイズはできません。高負荷なアプリケーションを使うと管理者から怒られます。個人のユーザーが多く、高負荷なアプリケーションを使っているユーザーと同じサーバーになると、夕方から動作が重くなります。その場合は引っ越すしかありません。

月5千円以下のサーバー

比較的、ゆったりとしたマンションです。1台あたりの同居人が、数百円のサーバーより少ないのが特徴です。マンションですから、やはり楽器の演奏は、ものによって怒られますが、高級マンションであれば、フローリングも分厚いので、少々の高負荷には耐えられます。 

ただし、サーバーのカスタマイズはできませんし、近所に迷惑がかかるほどの高負荷なアプリケーションは管理人から怒られます。

月1万円以下のVPSサーバー

いわゆる戸建てがくっついて並んでいる、いわゆるタウンハウスという建物です。VPSは、バーチャルプライペートサーバー=仮想専用サーバーの略で、共用サーバーの利点と、専用サーバーの利点を兼ね備えたサーバーです。いまでは、数百円台から、数万円まで性能にあわせてラインナップされています。

専用サーバーという以上、サーバーの管理者権限がもらえて、サーバーのカスタマイズができます。アプリケーションの動作に、各種モジュール類のインストールが必要な場合、このクラスのサーバーがファーストチョイスになります。

欠点としては、サーバーの管理者権限をもらった以上、サーバーの保守管理はユーザーに委ねられます。セキュリティパッチを当てるなどの作業ができる必要があります。

月数万円の専用サーバー

庭付き一戸建てです。それにも種類があって、完全カスタマイズの注文住宅と、建て売りの1戸建てがあります。前者はハードウエアの調達、チューニングからはじまって、データーセンターに設置します。当然、保守管理はソフト、ハードとも自分達で行うことになります(有償ですが、データーセンターのサポートはあります)。

 後者は、サーバーの調達、コロケーションはプロパイダーに任せて、サーバーの機能だけを借りるパターンです。ソフトウエアの保守だけ行って、ハードウエアの保守に関しては、プロパイダーに任せられるのが利点です。

 どちらも、Webサーバーを複数台設置したり、DBサーバーを別けて運用したりといった構成を選ぶことができます。

従量課金制のクラウドサーバー

 なんて例えればいいのでしょう。未来の建物です。ホームパーティを開こうとすると、それにあわせて家の大きさが大きくなって、パーティがおわったら小さくなります。Amazon Web Services(AWS)(https://aws.amazon.com/jp/)や、Microsoft Azure(https://azure.microsoft.com/ja-jp/) などがそれに当たります。

基本的にVPS同様仮想専用サーバーの仕組みですので、サーバーの管理者権限がもらえます。さらに基本的なアプリケーションが既にインストール済みのイメージが沢山公開されていて、それらを適用するだけで、すぐにサーバーの設定が終わります。

 契約は、インスタンスというサーバーの性能をモジュール化した単位で契約し、CPUの負荷によってフロントサーバーが増えるような設定も可能です。ロードバランサーやDB専用サーバーといった機能も提供されます。

裏側は、複数のウェブサーバー、データーベースサーバー、ストレージなどを並列に連結して(クラウド=雲)それらを、ハードウエアに縛られずに切り売りしているイメージです。

おまけ:クラウド+アプリのサービス

 クラウドサーバーを基盤に、その上の例えばCMSであるとか、Webサービスを乗せて提供する会社が増えてきました。Movable Type クラウド版や、PowerCMSクラウドkintone のようなサービスです。

 サービス提供側は、ユーザーが増えるのにあわせてインスタンスを増やせばよく、アプリケーションもサーバーにあわせてチューニングされているので、非常に使い勝手がよいモノが多いです。さらにサーバーやアプリケーションの保守も任せられるのも要らぬ心配をしなくて済みます

家具付き高級マンションといったところでしょうか。これから注目のサービスです。

サーバー会社もいろいろなサービスを提供していますので、上記に当てはまらないものもあるかと思います。専用サーバーを使って自由に運用するのか(ただし保守責任もせおって)、気楽に共用サーバーで運用するのかが、判断の分かれ目ですね。みなさんのサーバー選びのヒントになればと幸いです。

(担当:小山智久)

キゴウラボでは、サーバー選択のお手伝いのほか、サーバー+アプリのサービスのMovable Type クラウド版、PowerCMSクラウドの代理店も行っています。ぜひお問い合わせください。