数日前、Googleが検索エンジンを刷新するという記事がアップされました。日本への展開まではまだ時間がありますが、検索順位に変動があると思われます。しかし、慌てることはありません。Googleは以前から、検索エンジンの改善方向を示していました。それは記事の品質の重視です。単なるコピペ記事ではなく、信頼に耐えうるオリジナルの記事を書けば、おのずとSEOはついてきます。ついこないだ、初心者向けのSEOミニセミナーで話す機会を得ました。そこでお話した内容をご紹介いたします。
量から質へ
まずは、最近の検索エンジンのトレンドを考えて見ましょう。キーワードは、「量から質へ」。量というのは、外部サイトからのリンクの数、いわゆる外部施策です。一方、質というのは、書かれているコンテンツに、タイトルやディスクリプション(ページの概要)にキーワードが含まれているか、本文の見出しと本文に、適度にキーワードが散りばめられていて、構造化されていて、読んでいる人に為になるコンテンツになっているかと言うこと、イコール内部施策です。
すなわち、外部施策の量より、外部施策の質が重視されるようになったのです。参考にした書籍に著者は、その比率を、4:6ぐらいと言っていましたが、私の感覚では、3:7で内部施策が重要になってきたと思います。検索エンジンのアップデートの度に、内部施策が重視されてきています。
10月1日にブログで好評された、Googleの「コア・アップデート」でも、品質についてのチューニングがなされました。その内容を紹介しているブログ(https://webmaster-ja.googleblog.com/2019/10/core-updates.html)の文章では、品質という言葉が、16回、コンテンツと言う言葉が47回も使われています。ホームページ書かれているコンテンツの品質がいかに重要なのかが、読むとわかります。
一概に、品質の高いコンテンツと言われても、どのような文章を書けば良いのか、戸惑うかもしれません。それに対して、Googleは次のようなコンテンツが重要だと述べています。それは、専門性、権威性、信頼性のあるコンテンツです。端的言えば、百科事典に掲載されるような、品質の文章ということです。なかなかこのような文章を書くのは、難しいですが、頭においておく必要があります。
コンテンツSEO
このような品質を重視するGoogleの検査エンジンのチューニングにあわせて、コンテンツSEOという言葉が生まれてきました。品質の高いコンテンツをウェブサイトに掲載することによって、SEO効果を高めようという方法です。その代表的な施策が、オウンドメディアです。雑誌や広報誌のようなコンテンツを自社サイトに掲載し、品質の高いコンテンツを、頻度を高くコンテンツを更新することで、SEO効果をたかめ、さらにSNSに取り上げてもらって、ロングテールのSEO効果を高めようということです。
先ほど、量から質へと申しましたが、誤解してはいけないのは、同じ品質のコンテンツであれば、100ページあるサイトと、10ページあるサイトであれば、前者のほうがSEO効果は高いのです。すなわち、同じ品質であれば、量は力なのです。そのために、計画的にコンテンツを増やし、サイトへ読者を誘導していく必要があります。またオウンドメディアは広告と違い、一過性のものではなく、資産にもなりますので、継続は力なりで実践することが必要です。
検索キーワードの探し方
ビックキーワード(みんながよく検索する言葉)では、競合が多く検索されないでしょうから、なにがしか、キーワードの組み合わせを考える必要があります。キーワードプランナー、goodkeywordなどで、キーワードの組み合わせを調べると同時に、似たキーワードでどちらがよく検索されているかわからなかったら、Googleトレンドで比較して、選択するのもよいでしょう。
いずれにせよ、組み合わせを選ぶには、「共起」を意識する必要があります。「共起」とは、あるキーワードが出現したときに、ある言葉もよく出現するという事を言います。Googleは、コーパスという膨大な言語資料で、共起をしらべていますので、キーワードの組み合わせが、共起の関係にあるのかが重要な指標になります。関連語事典を調べる、共起調査ツール(https://www.sakurasaku-labo.jp/tools/cooccur)で調べるなどして、組み合わせが適当か、調べるとよいでしょう。
検索キーワードをどこにいれるか
一番重要なものは、<title>
検索キーワードを入れる箇所で、いちばん重要なのは、<head>内の<tilte>タグです。ここに記載されている内容が、そのまま検索結果の見出しになります。検索結果にでる文字数を意識して、24文字から32文字程度に納めることが必要です。検索キーワードを、できるだけ文頭に書き、共起するキーワードを、近い位置に書きます。スペースや読点は使わず、全ページにおいて、すべて異なるオリジナルなタイトルを付与することが重要です。もちろん、読んだ人にわかりやすいタイトルにすることが最も重要です。
次に重要なものは、ディスクリプション
検索結果の下に文章で表示されるのが、このディスクリプション(概要)です。内ので設定します。検索キーワードがディスクリプションに含まれていると、検索結果では太字で表示されます。パソコンで110文字から120文字、スマートフォンで50文字から60文字程度が表示されますので、全体を110文字程度にまとめ、重要キーワードを、先頭50文字内に含めることが必要です。ここでも共起している組み合わせキーワードを、2つ程度入れると良いでしょう。WordPressなどのCMSでは、ディスクリプションを入力するエリアがありますので、そこに入力します。もちろんページ毎にオリジナルなものを入れましょう。
重要なものは、<h1>
ここからは、経験則からここも重要だろうと思うものを、書いてゆきます。まず一つ目は、文章の最初に出現するタグの内容です。HTML5になってが文中に何回でてきても構わなくなりましたが、やはり、最初のh1は、ページに書かれているコンテンツの要約である事が多く、Googleは重要キーワードが含まれていると考えているようです。そのため、検索キーワードを含んで簡潔にし、前出したとは異なる内容にしたほうがよいです。そしてページのできるだけ上に配置し、次に述べるリード文と呼応するように使う事が重要です。
以外と重要なものは、リード<p>
最初の<h1>の次に、呼応するように書かれる、コンテンツの書きだしとなる段落です。Googleはアメリカ文化ですから、文章の構成も、結果を先に書き、その理由を結果につづけて書くという文章の書き方に、アルゴリズムが最適化されている可能性があります。そのため、この書きだしの文章がSEOにとって、結構重要になってきます。だいたい200文字ぐらいにまとめ、検索キーワードを含めます。ディスクリプションとは同じにならないようにしましょう。ウェブページはスクロールで読むものですから、結論が先書かれているほうが、全体像が把握できてわかりやすいコンテンツができます。
本文の書き方
見出し<hx>+段落<p>の繰り返しで書かれている文章が、Googleはお好みです。<hx>も、<h1><h2><h3><h3>と、文章の階層構造がわかりやすい文章が必要です。その中に適度に検索キーワードを分散させ、帰結への導線を意識して文章を書きます。本文の文字サイズは16pxを基本とし、背景色とのコントラストにも注意しましょう。Googleは文章構造だけでなく、デザイン面(読みやすさなど)も見ています。
その他、重要なこと
Google Search Console に登録して、sitemap.xmlを登録しましょう。sitemap.xmlとは、サイトに含まれているページの一覧を、ある一定のルールに基づき記載したものです。WordPressなどでは、専用のプラグインがありますので、それを利用するとよいでしょう。新しいページを追加した場合や、内容を書き換えた場合は、Google Search Console のURL検査から、該当のページを個別に登録しましょう。これによって、Googleがクロールしてくれるのを待つことなく、サイトを登録することができます。
また、時代はスマートフォン優勢です。パソコン用サイトよりスマホ用サイトのほうが読まれていることも多くなってきました。モバイルフレンドリーテストなどをおこなって、クリックする箇所の大きさや、近接しているかなど、スマホのユーザビリティについて、あらためて検証しましょう。Googleの検索エンジンもこの点もSEOの点数として換算しています。
最後に2つ。ウェブサイトが高速に表示されるかも、SEOにとって重要です。WordPressを使っている場合は、キャッシュプラグインを実装する。サーバー側で高速化の施策をしているプロパイダーを選ぶなど、構築前から情報収集が必要です。
また、サイトの全ページを暗号化して通信することも一般的になりました。これもGoogleは推奨していますので、SEOにもなんらかの影響があるとおもいます。暗号化通信には通常、認証局への登録が必要で、一般に有料です。しかし、コミュニティベースの無料で使える認証局もでてきました。こういうサービスが使えるプロパイダーを選択することも、SEOへの近道です。
最後に
以上、SEOに詳しい人にとっては、常識と思える知識でしたが、あえて、いま基礎を押さえる意味で記事をまとめました。SEOに王道なし、品質のよいコンテンツを更新していくしか方法はありません。完璧なSEOがあれば、だれも広告を出稿しなくなりますから、Googleがつぶれます。急いで伝えたい事がある場合は、予算を確保して、リスティング広告を始める、予算がなくって対象をしぼりたかったら、Facebook広告のようなSNS広告を試してみるなど、SEOだけに頼らないサイト告知を考える必要もあると思います。
最後に、Googleのいう品質について述べているサイトをご紹介して終わりにしたいと思います。
各種ガイドライン
ウェブマスター向けガイドライン
https://support.google.com/webmasters/answer/35769?hl=ja
Google 品質評価ガイドライン・日本語解説:https://www.dentsudigital.co.jp/reports/2018/08/google_genenral_guidelines_summary.html
コア・アップデート
https://webmaster-ja.googleblog.com/2019/10/core-updates.html
Googleが検索エンジンを刷新へ「過去5年間で最大の飛躍」(engadget)
https://japanese.engadget.com/2019/10/28/google-5/