KPIとは、Key Parfomance Indicator の略で、日本語では、重要業績評価指数といいます。かみくだいていうと、ゴールを達成するのに必要なプロセスの到達度合いを計測する指標です。ウェブでは、アクセス解析ができますので、アクセス解析の数値の一つをKPIと決めて、判断するわけです。多くの場合、コンバージョンのところの数値がKPIになることが多いです。
ちなみに、ゴールはKGIといいます。Key Goal Indcator の略で、事業のゴールとなる数値をいいます。売り上げ目標などの金額がKGIになることが多いです。
KGIを達成するための、中間目標が、KPIと考えれば良いでしょう。
KGIからKPIを逆算する。
ウェブサイトを運営する場合、KPIがもっとも大切な指数になってきます。そのKPIをどのように算出すれば良いのでしょうか?ウェブ診断士の教科書を参考に、目標の決め方を学んで見ましょう。
とあるリードジェネレーションのサイトを考えてみます。リードジェネレーションとは、ウェブだけでは完結せず、最後は対面にて契約するような業務をいいます。不動産の販売などが、それにあたります。
・売上目標を1500万円と仮定します。客単価は100万円とします。
・売り上げが1500万円で、客単価が100万円なので、必要な受注数は15件です。
・受注率(商談をへて発注に至る率)が50%として必要な商談数は、15÷50%=30件です。
・商談率(問い合わせから商談に至る率)が25%として必要なコンバージョン数(お問い合わせ数)は、30÷25%=120件です。
・コンバージョン率は1.25%なので、必要な流入(セッション)数は、120÷1.25%=9,600件です。
このとき、商談に直接に直接影響をあたえるコンバージョン数を、このサイトのKPIとするのが一般的です。すなわちお問い合わせ件数120件を目標に、各種施策を行うわけです。
KPIを達成できるセッション数がない場合
前述のサイトのコンバージョン率から逆算した必要なセッション数は9600件でした。もし、必要なセッション数をクリアしてなかった場合、どのような施策が考えられるでしょう。
1.SEO対策を行う
2.リスティング広告をうつ
3.ランディングページを改善する
4.商談率、受注率を上げる
1番のSEO対策は、本来ならサイト立ち上げ時に行っておくべきものです。今のサイトの問題点を修正するのはもちろんですが、アクセス数が劇的に増えることはないでしょう。SEO対策としてオウンドメディアを始めるという手もありますが、結果がでるのに時間がかかります。
2番のリスティング広告を打つのは、もっとも即効性が期待されます。しかし他の箇所を改善せず、広告だけに依存していては、広告費用がかかりすぎます。
例えば、先ほどのサイトの自然流入が、6400件だった場合、必要なリスティング広告の流入は3200件です。リスティング広告の単価は1クリック100円ですので、この場合広告費用は32万円かかります。一方、商談率を5%改善して30%にした場合、必要なセッション数が少なくなり(9600→8000)、リスティング広告からの必要流入数も減り、結果、16万円ですみます。
3番のランディングページの改善ですが、もっともコンバージョンページに遷移するページを改善して、商談率を上げることです。25%を30%に改善しただけで、コンバージョン数は100件に下がりますので、目標を低くできます。
4番の商談率、受注率を上げるですが、3番でも書いたとおり、商談率以外にも、人が関わっているところで改善できる可能性があります。例えば受注率などです。面談まで来てくれたお客様をできる限り逃さないようにすることで、目標を達成できます。
まとめると、目標を達成できるセッション数がない場合、効果が出るのが早い、リスティング広告を中心に他の箇所も改善して、広告費用が高くなるのを防ぐということです。受注率、商談率の改善は一回の投資ですみますし、長期に効果を得られます。一方、広告は確実にそして即座に効果がある一方、毎月費用がかかります。どちらが良いかはケースバイケースです。ウェブ解析で分析した数値をもとに、各施策にバランスよく予算配分すると良いでしょう。
サイト、広告の改善によって、KPIの数値は増減していきます。まずは、KGIから、コンバージョンまでを逆算して、現時点のKPIを算出し、それが達成可能なのかを調べてみましょう。可能でなければ、改善できる箇所を探してみましょう。
[文:小山智久]