2005年にGoogleがUrchin社を買収して、それまで有料でパッケージソフトだったUrchinを名前を変え、無料で公開したGoogleアナリティクス、それまではanalogといった無料のログ解析ツールで貧相なデータで分析していたのが、この10年で、現在ではほぼデファクトスタンダードになりました。日々機能が追加されて進化してゆくGoogleアナリティクス、機能が多くって使い切れないという声を聞くようになりました。最低限どこを押さえておけばよいのでしょうか?基礎の基礎から一緒に再勉強していきましょう。
まずは基本の数値から
Googleアナリティクスは適切に設置されていることを前提にします。まずは、デフォルトの30日分集計でユーザー>サマリーで表示されている数値からいくつか拾ってみましょう。
セッションとユーザー
セッションは、サイトにアクセスして、いくつかページをみて、サイトから離脱するまでを1セッションとして数えます。正確には、30分以上何も行動しないとき、日付が変わるとき、参照元(サイトにアクセスする前のサイト)がかわるときにはセッションが切れます。同じユーザーが午前と午後で2回アクセスした場合は2セッションとなるわけです。
一方ユーザーは特定期間でサイトに訪問した、固有のユーザーを指します。同じユーザーが午前と午後の2回アクセスしても1ユーザーとして数えられるのです。
実際にアクセスしている人の数としてはユーザーのほうが正確ですが、セッションは関心度が高いユーザーを個別に計測しているとも考えられるので、アクセス数はセッションベースで考えた方が良いでしょう。ユーザー数は参考までにみておくだけでよいでしょう。まず押さえるべき数値はセッション数です。
ページビュー(PV)
ページビュー(PV)とは、ウェブサイト内の特定のページが閲覧された数を集計したものです。1画面みられたら、1PVとしてカウントされます。どれだけウェブサイトが見られているかを図る上で重要な指標です。次に押さえるべき数値はページビュー(PV)です。
ページ/セッション
1セッションあたりのページビュー数のことで、1回のセッションあたりに平均何画面見られているかを表します。サイト内回遊がどのくらい行われているかを示しており、内部リンクを増やすことで、関連記事へ誘導することで改善されます。
平均セッション時間
すべてのセッション時間の継続時間(秒単位)の合計を、セッション数で割った値です。ややこしいですが、ようするに、セッションの開始時間と終了時間の時間差を表しています。日本人の平均的な読書速度は500文字/分といわれていますからこの時間が少ないと、実際にはページ全体を読まれていない、極端にすくないと、検索エンジンでひっかかったけど、すぐに離脱されたと言うことが分かります。先のページ/セッションとあわせて、本当に記事が読まれているのかを判断する指標になります。注意する点として、1ページのみ閲覧してサイトから離脱した場合、どれだけそのページに滞在してたとしても、セッション時間は0となる点です。平均ページ滞在時間と混同しないよう注意しましょう。
直帰率
サイトに訪問して、1ページ目で離脱した(他のサイトにいってしまった)割合をしめします。サイトが、他のページへの回遊を誘うようになってないなどが考えられます。平均セッション時間が短く、直帰率が高い場合、ユーザーの検索にはヒットするけど、ユーザーの望んでいるコンテンツを提供できてないということが分かります。平均50%以下なら優秀なサイトで、80%を超えるサイトは危険信号です。セッション数、ページビューとあわせて必ず押さえておきたい3大指標の1つです。
新規セッション率
いままでの数値とちがってちょっと難しい数値です。新規セッション率とは、レポート期間内にはじめてそのサイトを訪問したユーザーの全セッションに対する割合を指します。簡単にいえば、全セッション中うち、初めての人の割合ということです。この数値、SEO対策に力を入れていれば当然、新しいユーザーを獲得してくるので、数値が上がります。一方、ECサイトなどでリピーターからの購買が多い場合、新規セッション率は低いが、リピーターが高いとも考えられます。他の数値のように、単純に高ければ良い、低ければ良いと言うわけではありません。最初は参考程度に見ておくとよいでしょう。
行動から、ユーザーの動向を知る
ユーザー>サマリーの指数を覚えるだけでお腹いっぱいになりそうですが、Googleアナリティクスには他にも様々な角度でアクセスログを分析できるツールがあります。その代表的な指数が「行動」のところにあります。最低限押さえておきたい数値を学びましょう。
行動>サイトコンテンツ>すべてのページ
サイトでどのページが一番みられているかがページビュー数として分かります。平均ページ滞在時間や、直帰率、離脱率といった指標もあるので、実際にどのくらい読まれているのか、参考にして下さい。
行動>サイトコンテンツ>ランディングページ
すべてのページと似ていますが、異なるのはセッションを開始したページ順にならんでいることです。検索エンジンやSNSから、どのページに誘導され、閲覧を開始したかがわかります。
次に表の上「セカンダリーディメンション」で、行動>完全なリファラーを選択してみてください。google、yahooなど文字がくわわった列が追加されると思います。これで、Googleから来たのか、Yahooから来たのかが分かります。ちなみにFacebookはfacebook.com/、to.co/英数文字列はTwitterからのアクセスです。直帰率や平均セッション時間と合わせて、どこから来て、どのくらいの時間滞在したのかを分析をしてみて下さい。
コンバージョンを設定しよう
コンバージョンとは、ユーザーが特定のページを閲覧したらなど、ある目的を達成したらそれをコンバージョンとしてカウントする仕組みを言います。たとえばお問い合わせページを開いた。サイトから購買したなどが目的になります。
一番上のメニューから管理を選び、右端のビューから目標を選びます。新しい目標をクリックし、テンプレートから目的となるコンバージョンをクリックします。あとは順番に目標となるページを入力したりして設定するだけです(目的別に異なる内容になっています)。
そうすると、たとえば先ほどの、行動>サイトコンテンツ>ランディングページの右側で、どのページからのランディングでコンバージョンを得ることができたかが分かります。コンバージョンの総数は、左メニューの一番下、コンバージョン>目標>サマリーで見ることができます。このコンバージョンを増やすことが当面の目標になるのです。
検索キーワードは、Search Consoleで調べる
どんな検索キーワードでサイトに訪問してくれたのか、気になりますよね。Googleアナリティクスにも、検索キーワードを集計してくれるメニューがあります。集客>Search Console>検索クエリーです。しかしこの集計には問題があります。
Google自体がSSL化し、検索クエリーを暗号化してしまったため、多くの検索キーワードが、(not set)になってしまい、検索キーワードを見ることが出来なくなってしまいました。
しかしまだ方法はあります。Googleアナリティクスではなく、Search Console(旧ウェブマスターツール)の検索トラフィック>検索アナリティクスがそれです。どのページにどのキーワードがヒットしたかまでは、調べることはできませんが、どのようなキーワードでサイトに訪問しているのかは分析できます。
まとめ
Googleアナリティクスの基本中の基本となる、用語の意味を学びました。さらにサイトで一番見られているページ、サイトで最初に見られているページを調べる方法を知りました。最後にはコンバージョンの設定方法を学び、Search Consoleでどんな検索キーワードで訪問されているのかを知る方法を学びました。
Googleアナリティクスの機能はこれだけではありません。パソコンとスマホのアクセスの割合を調べたり、どのページからどのページへの遷移が多いのかを視覚的に表示したりするツールもあります。さらに自分でレポートの内容をカスタマイズしてオリジナルのレポートを作ることもできます
Googleアナリティクスの機能をさわったからといって壊れることはありませんので、一度、いろんなツールを体験してみるとよいでしょう。かくいう私もまだまだ、Googleアナリティクスの探索中です。
(担当:小山智久)