「ウェブサイトの頼み方 事前に伝えておきたい14の項目」や、「知識0、お金0でホームページを作る方法」などの記事で、初心者を意識して、ホームページの制作方法や依頼方法について書いてきましたが、まだまだ難しいとの意見もあり、再度、まったく初めての読者が、ホームページを制作会社やフリーのWebデザイナー依頼するときの方法をまとめたいと思います。
まずはホームページを見て欲しい読者像を考えて見よう
あなたのホームページを見る人は、どんな人(お客様)でしょうか?
年齢は、性別は、年収は、職業は、家族構成は? 色々考えられると思いますが、典型的な読者像を考えて見ましょう。出来れば仮の名前と、似顔絵も描いて下さい。このようなユーザーのモデリングの事をペルソナと言います。ペルソナは構想を練っているときに、ぶれないようにするためにつくるものです。簡単な物で結構ですので、箇条書きにしてみましょう。詳しく知りたい方は、過去の記事「ウェブサイトに訪れて欲しい人はどんな人? ペルソナを考えよう」を参考にしてください。まずはこれがはじめの一歩です。
ホームページの目的を明確にする。
商用のホームページの目的は、かならず、次のどれかに当てはまります。
- 商品、サービスの販売
- 見込み客の獲得
- 会社、お店等の認知
この中で、どれが最も大切なゴールかを、長期的な視点にたって考えて見ましょう。作ったペルソナを意識して、そのペルソナならどのようなものを求めるかという風に考えると答えは自ずと出ます。
ホームページにどんな事を盛り込みたいか考えて見よう
商品を販売したいのであれば、ショッピングカートなどECサイトの仕組みが必要です。お店に来てもらってサービスを受ける職種、例えば美容院や、クリニック、接骨院などのような商売であれば、お店への地図が必要でしょう。見込み客の獲得であれば、まずはメールアドレスの確保になるので、メールアドレスの提供に見合ったプレゼントを用意する必要があります。仕事上のノウハウをebook(PDF等)にまとめたものをダウンロードできるとか、メルマガを受信できるなどが考えられます。
会社・お店の認知が目的であれば、ホームページを開いたときに、商売を端的に伝えたキャッチコピーとビジュアルが必要となるでしょう。その上で会社案内や、商品・サービス案内のページがあれば完璧です。
典型的な企業サイトの場合、以下のような構成が考えられます。
- ホーム
- 商品紹介、またはサービス紹介
- 会社案内(挨拶文と、登記簿謄本の内容)
- アクセス(地図)
- お問い合わせ(フォームメール)
以上に加えて、先ほどの目的にあったコンテンツを加えるとホームページの構成案が完成します。サイトの表示順を意識してホームページの構成を考えるのは難しい作業なので、ここでは、盛り込みたいことを箇条書きにしておく程度で構いません。それを元に、制作の依頼先に構成案を考えてもらえば良いでしょう。
作りたいホームページに似ているホームページを探す
次に、作りたいホームページに似ているホームページを探しましょう。デザイン的に好みなホームページ、構成が目的としているものに似ているホームページなど、デザイン面、構成面どちらでも結構ですので、こんな感じになればよいなというページを探しましょう。
ただ闇雲に検索していても見つかりませんので、「週刊ウェブデザイン」のような、デザインアーカイブサイトを利用して探すとよいでしょう。この手のサイトは他にもいくつもあります。「ウェブデザイン 参考」「ウェブデザイン 一覧」といったキーワードで検索すると見つける事が出来ます。
業者を探して、見積もりを依頼する
業者を探して、見積もりを依頼しましょう。業者の規模と見積もり金額は比例するものですから、最初はホームページの規模を考えて、フリーランスのWebデザイナーや、小規模なウェブ制作会社に依頼することになると思います。過去の記事「Web制作どこに発注する? 制作会社?それともフリーランス?」も参考にして下さい。
知人からの紹介が一番確実ですが、そういうアテがない場合、クラウドソーシングを利用してみるのもひとつの手です。
クラウドソーシングとは、ネットをつかって不特定多数のひとに業務を外注するサービスです。もしメールでのやりとりに不安がなく、対面せずとも作りたいホームページのコンセプトを伝えられるのなら、利用してみるのも1つの手です。国内では、
が有名です。要望を伝えた上で、トップページのコンペを行い、優秀な外注さんに以降もお願いするという方法が考えられます。
一方、やはり対面で人となりを見ないと不安で発注出来ないという場合は、やはり知人からの紹介が一番です。それも複数の人に聞いてみて、良さそうなフリーランサーや制作会社にあってみましょう。どうしても知人からの紹介が得られない場合はWeb制作会社で検索してみて、広告を出しているところで、ホームページのサイズにあった会社に問い合わせて見ましょう。
その他、見積もり比較サイトを利用する。前段でいいなと思ったホームページを運営している会社に問い合わせて見て業者を紹介してもらうといった手も考えられます。ちょっと荒技ですが、制作者の勉強会に参加してみて、良さそうな制作会社を探すという手もあります。もちろん弊社も東京近郊であれば、お会いしてお話をお伺いすることは可能です。地方でも交通費がでれば、出張することもあります。
いずれにせよ、予算と規模を聞かれると思いますので、規模は、前段で検討した内容を、予算は希望予算の相場をふまえて伝えてみてください。相場については、過去の記事「あえてさらそう ウェブ制作の相場っていくらぐらい?」や、他のネットの記事を参考にしてみて下さい。「Web制作 相場」で検索するとたくさん出てきます。
1つ注意点、ホームページ制作をリース契約で行うのは絶対やめましょう。月額制なので一見安いように思えますが、解約もできないし、5年契約だと総額数百万にもなります。効果がでなくてリニューアルをしたいと思っても出来ません。詐欺まがいな業者が多いので要注意です。
業者とホームページの制作をしていくのに知っていた方がよい言葉
多分聞き慣れない用語が沢山でてきます。検索すれば大体の意味は分かるとおもいますが、この記事は超初心者向けを前提にしていますので、業者とのやりとりで必ずでてくる言葉の意味を解説します。
ホームページとウェブサイト
この記事では初心者に馴染みのいいホームページという言葉をつかっていますが、本来ホームページとは、ひとかたまりのページ郡(大抵はドメイン単位)のなかで、一番トップにあるページをホームページといいます。このひとかたまりのページのことをウェブサイトといいます。トップページに戻るリンクがホームとなっている場合がありますが、そのためです。この記事では引き続きウェブサイトの意味でホームページと言う言葉を使います。
ドメイン
yahoo.co.jp とか google.com といった、ホームページの名称のことです。当然、重複した名前はつかえず、早い者勝ちです。ドメイン取得業者(お名前.comとか)で取得し、毎年更新料を取られます。初期登録料、更新料は、ドメインの種類、co.jpとかcomによって異なります。だいたい数百円から数千円の間です。
ドメインを、会社名で取得するか、メインの商品やサービス名で取得するか、悩ましいところですが、サイトの目的にあわせて業者の人と相談するとよいでしょう。
サーバー
ホームページのデータを入れておいて、インターネットに接続して配信するための装置です。基本的な構造はパソコンと変わりません。どこかのビルに大量のサーバーが置いてあって、インターネットに接続されています。そのサーバーの一部を借りてホームページを公開するわけです。月次で費用がかかる場合が多く、契約はサーバー業者と直接結ぶ形になります。サーバーにデータを置くには、FTPとよばれる通信方法でサーバーと自分のパソコンをつないで、データを送信して設置します。いずれにせよ、業者がやってくれると思います。ただし自分でサイトを更新したい場合は、使い方を覚える必要があります。
HTMLとCSS
ホームページをつくるためのマークアップ言語です。HTMLは、たとえば見出しにしたい個所があれば、<h1>見出し</h1>のように、<>でくくられたタグというもので、挟んでいきます。CSSはまたちょっと文法が異なります。デザインにOKをだしたら、この2つの言語をつかって、業者はブラウザーで閲覧できるように組み立てます。そのことをコーディングと言います。画像で表示するところも、画像を呼び出す記述をすることで、そこに画像が表示されます。ホームページ上で右クリックしてソースを表示とすると、そのページのHTMLを見ることができます。CSSはHTMLとはまた異なる文法で、色や文字の大きさ、余白など主にデザイン面を指定するための言語です。こちらは簡単には見ることはできません。(ブラウザーの開発ツールなどで見ることが出来ます)
SEO
Search Engine Optimization 日本語でいうと、「検索エンジン最適化」を意味する言葉です。検索エンジンにホームページが検索されやすいように行う取り組みをいいます。おもにHTMLの調整を含む内部施策と、他のサイトからリンクをしてもらう外部施策がありますが、不用意な外部施策(有料の外部リンクなど)はペナルティとなることがありますので、注意が必要です。業者さんには、内部施策をしっかりしてもらうようお願いすれば、それでよいと思います。昨今では、サイトのコンテンツ(中味)がSEOにとって重要となってきていますので、しっかりとした中味を充実させることが、SEO対策にもなると思います。くわしくは「初めてのSEO対策。ペナルティにならないよう、基本から勉強しよう」を参考にして下さい。
CMSとBlog
Content Management Systemの略で、ホームページの内容を一元的に管理し、FTPやHTMLなどを使わずとも、初心者でもホームページを更新できるシステムのことです。そのなかでも特に日記等に使いやすい様に、時系列で整理したものをBlogといいます。(正確にはBlogはCMSをつかうことが必須というわけではない)お知らせの更新や、スタッフブログ、オウンドメディアなどに使われます。実装には開発コストがかかるため、更新頻度とその費用との折り合いで、導入するかしないかを判断することになります。予算がない場合は、ブログだけであれば、ライブドアブログのような無料ブログサイトをつかって運営することもできます。そもそも頻繁にホームページを更新するのか、更新するとしたらだれが行うのかをハッキリと明確に決めておく必要があります。くわしくは、「CMSとは?あらためて確認しよう。できること、できないこと」を参考にしてみて下さい。
アクセス解析
ホームページを、何人の人が見ているのか、どのページが一番見られているのか、などを分析するために使うツールです。Googleが提供する、Google アナリティクスが業界標準で、無料で使う事が出来ます。カスタマイズすると様々な分析が可能なツールですが、基本となる数値を抑えておくだけでも参考になります。過去の記事「これだけは押さえたい!Googleアナリティクスの8つのポイント」を参考にしてください。
スマートフォン対策
ホームページをスマートフォンでも見れるようにするか、しないかの判断です。業種によっては、すでにスマートフォンからのアクセスのほうが多い業界もありますので、その場合、スマートフォン対策は必須です。スマートフォン対策をするときは、モバイルファーストの原則から、スマホのデザインを先にスタートさせ、それをパソコンで見たらどうなるかという順番で検討していきます。これもコストがかかりますので、要否の判断が必要です。詳しくは「4つのモバイルフレンドリー対応策、一番ベストな方法はどれ?」を読んでください。
ソーシャルメディア対策
TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアに会社やお店のアカウントをつくって、ホームページと連携させる必要があるかという点です。ホームページの更新情報を、ソーシャルメディアに流したり、ソーシャルメディアでのツイートなどを、タイムラインの形でホームページに表示したり、様々な連携方法があります。検索エンジンからの流入だけなく、ソーシャルメディアからの流入も無視できない数あります。さまざまなソーシャルメディアがあるなかで、どれと連携するかよく考える必要があります。
最後にオウンドメディアのすすめ
ホームページを存在証明だけにつかって、全く更新しないという判断もありますが、一方、ホームページは更新してこそ生きてくるというのも事実です。いままでは、ブログという「自分事」を日記のように綴っていくのが多かったですが、昨今では、雑誌のように、読者が知りたいことを記事の形にして配信することもふえてきました。それをオウンドメディアといいます。まさにこのサイトがそうです。読者の知りたいことに直接答えることで、会社やお店のファンを増やしていくわけです。
詳しくは過去の記事
を参考にして下さい。
まとめ
超初心者向けに書いたつもりですが、少し難しかったでしょうか。思いの外長文になってしまいました。
ホームページ作りは、検討しないといけないことが多く、専門用語も多いため、最低限知ってもらいたい物をならべただけで結構なボリュームになりました。これらをすべて知っている必要はないですが、最低限、業者に要望をつたえられるだけの知識はあったほうが、自分達の考えているホームページに近いものを作ってもらえると思います。
(担当:小山智久)
キゴウラボも小さな会社です。だから小さなお店や会社の初めてのホームページ作りを応援します。ブログを読んでると大きなホームページばっかり作っているように見えますがそんなわけではありません。ぜひお気軽にご相談ください。