オープンソース、かつ無料で使えるものから、ライセンスだけで1000万円以上するCMSまで、さまざまなCMSがありますが、何を基準に選べばよいのでしょう。この記事ではじゃっかん筆者の判官びいきもありつつ、選択のヒントを考えてみました。

動的生成か、静的生成か

CMSを選ぶとき、最初に考えるのはこの点です。動的生成は、閲覧の度にデータベースからコンテンツを取得して、表示画面を生成します。このため、ユーザーに合わせて表示を変えるといったことが比較的簡単です。一方、新聞で取り上げられたりして急激なアクセスが増えたりしたときに、表示が重くなったり、一時的に表示ができなくなったりすることがあります。WordPress、Drupal、a-blog cms、concrete5、Ploneはすべて動的生成です。

静的生成は、データベースからあらかじめ登録しておいたコンテンツをHTMLファイルとして出力しておく方式です。そのため、急激なアクセスにも強く、コンテンツとCMSが分かれているので、セキュリティ的にも攻撃を受けたりすることがありません。一方、大量のコンテンツがある場合、ファイルの出力に何時間もかかったりすることがあります。代表的なものに、Movable Type、WebRelease、NOREN、Interwovenなどがあります。

Movable TypeやHeartCoreは動的生成、静的生成どちらでも運用することが可能です。

ブログベースか、ツリーベースか

ブログベースはその名の通り、もともとブログから始まったCMSを指します。ブログですので時系列に並んだコンテンツ管理は得意で、カテゴリー分類等も可能です。一方、会社の組織図のようなコンテンツ構造を作ろうとすると、一工夫必要になります。とくにWordPressはブログが1つしかないので、カテゴリーを多用することになり、複雑なサイト構成だとカテゴリーだらけになって運用がしづらいという話をきいたことがあります。ブログベースのCMSの代表格といえば、WordPressと、Movable Typeです。

ツリーベースというのは、私の造語ですが、サイトを階層型のツリーのような形で構築してゆくタイプのCMSです。組織図のようなサイト構成には向いていますが、逆にブログ的な時系列で情報を発信していくのは苦手です。Drupal、concrete5、Plone、他のエンタープライズCMSのほとんどはツリーベースです。

コンテンツベースか、ファイルベースか

コンテンツをすべてデータベースに登録しないといけないのか、静的に作成したファイルをアップロードするだけで、配信管理が可能かです。後者の機能は、エンタープライズCMSにしかない機能です。テンプレートの制作コストが低減でき、外注に依頼しやすいので、キャンペーンページの運用などに便利です。

企業でつかわれる機能があるか

承認公開機能(ワークフロー)や、指定日公開/非公開、ユーザー権限管理といった企業で使われる機能があるかどうかです。エンタープライズCMSには欠かせない機能です。Movable TypeベースのPowerCMSにはこれらの機能が含まれています。

開発コミュニティが活発か

結局、一番大切なのはこれだと思います。CMSを導入したところ、制作会社が倒産してしまって、保守をお願いするところが見つからないのでは困ります。高価なエンタープライズCMSを導入して、開発を依頼したけど、そりが合わず、CMSはそのままで、開発を他社に変えたいのに変えられないと言う話も聞きます。たくさんの開発者がいるのはそのCMSが良い証拠です。日本では、WordPressと、Movable Typeのコミュニティが活発ですね。

ライセンス費用の多少は問題にならない

WordPressが無償で使えるので、これを第一候補にあげているケースが多くみられますが、ライセンス無料、プラグインのカスタマイズ費用100万円というのと、ライセンス60万円、プラグインのカスタマイズ費用なしというのであれば、後者のほうが安いのです。寄せ集めのプラグインを使うのと、きちんと統一感のある設計で作られたPowerCMSのようなライブラリーだと、後者のほうが使い勝手が良い場合があります。

最後は保守をしっかりしてくれるか

WordPressを導入した事例で、WordPressが自動バージョンアップされ、導入したプラグインが対応しておらず、PHPに高負荷をかけてしまい、サーバー会社からサーバーを止められてしまったという話があります。こういう場合、制作会社が、事前に自動バージョンアップは停止しておき、プラグインのテストを行った上でバージョンアップをしてくれれば、問題にはならなかったはずです。特にWordPressを導入した場合は、継続的な保守を行ってくれるか確認したほうがよいでしょう。

 Movable Typeの場合は、静的出力なので、CMSの保守をおこたったからといって、すぐに表示がされなくなることはありません。CMS自体にユーザーがアクセスすることはないので、攻撃の対象にもなりにくいです。しかし、セキュリティメンテナンスは年数回ありますので、きちんとバージョンアップしておくことをお勧めします。

最後に独断と偏見でえらぶとするならば

小規模なブログで、無償のテンプレートをつかってサクリと構築してしまいたいなら、WordPressを使うのをオススメします。ただしちょっと凝ったことをしようとすると、PHPの知識がかなり必要になります。開発費用もそれなりにかかりますので、要検討です。

 小規模な階層型サイトとあわせて、ブログやオウンドメディアを運営したいのなら、Movable Typeをオススメします。パッケージ版以外に、ASP版やクラウド版もありますので、初期費用や保守費用を抑えたい場合は検討をおすすめします。さらに企業向けの機能が欲しい場合はPowerCMSをおすすめします。いずれも凝ったことをする場合でも、WordPressよりテンプレート言語が簡単なので、実現しやすいです。

(担当:小山智久)

キゴウラボでは、Movable Type/PowerCMSを使ったサイトの設計、構築をお受けしています。お客様のご要望にあわせて、CMSの得意とする機能を実装します。ぜひお問い合わせください。
あ、ちなみにWordPressも相談に乗ります。