ホームページ初心者が知らない重要な施策

日本最初のホームページがつくられて、はや28年が経ちます。その間にブラウザーの進化によって、表現が豊かになり、ホームページを見る人も増え、ビジネスでは欠かせないものになりました。進化の過程で、いくつかのトレンドが業界内ではやり、そして廃れていきました。そして、少し落ち着いたかに見える進化の過程で、ホームページ制作の周辺で、押さえておかなければいけない、テクノロジーやサービスが出てきました。それを初心者にもわかりやすいように説明したいと思います。

常時SSL

いままで、お問い合せのページや、オンラインショップのクレジットカード番号のやりとりのページだけでおこなっていた暗号化通信を、全ページでおこなうことを言います。Googleが暗号化ページと非暗号化ページの行き来でセキュリティ上の問題があるとことで、全ページで暗号化通信をおこなうことを推奨しました。2018年にリリースされたブラウザーChrome68から、暗号化されてないページには、「保護されてない通信」という表示をするようになりました。

暗号化通信をおこなうためには、SSL証明書というものが必要で、証明書によって、ホームページが偽物でないことを証明します。この証明書、有料で、年数万円のコストがかかります。しかし、常時SSLを奨めるため、コミュニティによって無償で使えるLet’s Encryptという証明書ができました。ただし、有効期限が90日しかなく、自動的に更新する仕組みを作り込む必要があります。

このLet’s Encryptと自動更新機能を、標準機能として組み込んだプロパイダーがでてきました。代表的なのがXSERVERです。このプロパイダーはWordPressに最適化された高速性もあいまって、ウェブ制作者のあいだでは人気のサーバーですが、常時SSLを実現するためにも、第1の選択肢になります。リニューアルの際に移転することを前提に、計画を立てることをお進めします。ホームページをみているお客さんが不安にならないようにしましょう。

favicon.ico

古くからある機能で、16×16pxの小さなアイコンをホームページのトップに設置することで、ブックマークやブラウザーのタブのところに、独自のマークをつけることが出来る機能です。最近では、Google の検索結果にも表示されるようになりました。画像サイズが小さいため制作が難しく、icoというファイル形式が、制作者がよく使うPhotoshopで扱えないので、いったん別の形式の画像で作成し、オンラインの変換サービス等をつかって、icoに変更します。(最新のブラウザーではpng形式も扱えるようになりました。)

同様のアイコンで、iPhoneのホーム画面に、ホームページのボタンを設置してもらうための、アイコンがあります。こちらはサイズは他のボタンと同様、144×144pxで作成します。(正確にはもっとサイズのバリエーションは多いのですが、ここでは代表的なものを上げます)こちらを、favicon.ico同様、サーバーのトップ(ルート)に設置して、HTMLに記述することで、よくつかうブックマークを、トップ画面に設置してもらうことができるのです。

制作過程で作ることが前提になっている、これらのアイコン。制作に結構工数がかかり、制作者の負担になっていることを知っておいて損はないでしょう。

Google アナリティクス

ホームページがどのくらい見られているのか、どのページがよく見られていて、どのページから離脱されたのか、1ページだけみて、すぐに他のサイトにいってしまった人(直帰率)はどのくらいいるのか、などを測定することができる、Googleの無料サービスです。詳しく分析すると、どのページからホームページはみられていて、どのページで離脱するのかといったホームページ内でのユーザーの行動も分析することができます。

日々改良が加えられていて、解説本がすぐ古くなってしまうことで、その機能の全てを追いかけるのは難しいですが、基本的な指数を抑えておくことは、ホームページのPDCAを回すためにも必須です。使用するには、Googleにサーバーを登録して、分析用のコードを発行してもらい、そのコードを全ページに実装することが必要です。

Google アナリティクスのコードの実装と、毎月の分析結果報告を、制作者へのリクエストとして加えることを忘れないようにしましょう。

Googleマイビジネス

リアル店舗を持っている人には、欠かせないサービスです。Googleで検索したときに、Googleマップに、店舗の位置が表示され、営業時間や住所、口コミから診断した評価ポイントが表示されるサービスです。これは申し込まないでも、ゼンリンのデーターを使ってGoogle側が勝手に表示します。このGoogleマイビジネスにビジネスオーナーとしての登録をおこない、間違えている情報を修正し、口コミにも答えていくことで、お店の信頼があがります。

お店独自のホームページを持っている場合、リンクを張ってくれますので、メニューや休業のお知らせといった店独自の情報へのアクセスを増やすことができます。特に食べログや、ぐるなびに頼っている飲食店は、無料で独自の情報を発信できることで、自立した情報発信ができると言えるでしょう。

Google Search Console

後記する、sitemap.xmlを登録し、サイトがどんな検索キーワードで検索されているかがわかるサイトです。Google アナリティクスと連携して、様々なデータを見ることができます。モバイルユーザビリティなど、スマートフォンでの見え方が正常かを検証してくれるサービスもあります。新しく追加したページも、登録をすることで、早く検索される効果があります。

基本の正しいSEO

ホームページ初心者でも知ってる言葉がSEOです。ホームページは見てもらわないと始まりません。そのためには検索の上位に表示されなければなりません。しかしSEOに王道はありません。タイトルにキーワードを含める。最初の200文字程度にキーワードと関連語が複数回でてくるようにする。ディスクリプションを正直に書く、といった、いわゆる内部施策は、必須のことです。検索連動広告(PPC)は、広告費用をかければ効果はありますが、主要なキーワードは大手がガッツリと広告費用をかけているので、小さな会社は対抗できません。そこで次ぎに述べるコンテンツマーケティングが重要になってきます。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティング、またはコンテンツSEOとは、オウンドメディア=自社が運営している雑誌のようなホームページに自社のノウハウや、実績、社員の紹介といったようなコンテンツを大量に掲載することで、SEO効果を得る方法です。一過性の広告とちがって、コンテンツが貯まっていけば貯まっていくほどSEO効果が得られます。ウサギとカメのはなしでいえば、カメの戦略です。

さらに、Googleは、良質でコンテンツの多いサイトを好みます。地道な作業ですが、オウンドメディア(ブログ)で、自分のビジネスのこだわりを、2000字以上の長文で解説する、まさにこの文章がそれですが、単なる昨日ゴルフに行きましたといったような、ビジネスに関連のない社長ブログではなく、読んでいる人がためになるような辞書・辞典的ともいえるようなコンテンツを増やしましょう。最低100記事、理想は300記事を目指して記事を増やすことを考えましょう。記事はお題を渡して有償で書いてくれるライターさんもいます。そういうものを利用して、記事を増やすことを考えましょう。

sitemap.xml

サイトの全ページの構成を、XMLという構造化テキストの書き方で記述し、Google Search Consoleで検索エンジンに登録すると、検索エンジンは全ページを認識して、検索されるようになります。記述方法は単純ですが、更新の度に書き換えないといけないので、WordPressなどで自動的に配信するようにするのが、一般的です。いままではプラグインをつかって配信していましたが、最新版の5.5ではWordPressにその機能が加わりました。SEOを極めるには必須の作業です。

すでにこちらがメイン、スマートフォン対応

Google アナリティクスによる調査結果では、B2Cと言われるコンシューマー向けサイトで、8割、B2Bと言われるビジネス向けサイトでも6割が、スマートフォンからのアクセスです。すでにパソコンは遅れたプラットフォームで、時代はスマートフォンです。制作の世界では、スマホファーストという言葉が以前よりバズっており、パソコンサイトを作る前に、スマートフォンサイトをつくって、それを変化させてパソコンサイトを作るというながれがあります。

タブレットで見ている人は、まだ少ないですが、じわじわとそのアクセス数を増やしています。このようなマルチプラットホームに対応したホームページを作ることが、これから必須です。小規模サイトでは、レスポンシブウェブデザインという方法で、1つのホームページを、異なるプラットフォームに最適化させて見せる方法が主流です。ただし、ホームページを2つないし3つ作るのと変わりませんので、コストは倍倍にかかります。それに対応できるようにしっかり予算を確保しておく必要があります。

集客に避けては通れないSNS対策

Google一辺倒だったホームページへのアプローチでしたが、昨今はSNSからの流入も無視できなくなってきました。Twitter、Facebook、InstagramといったSNSに、自社のアカウントを開設し、フォロアーを増やし、ホームページ(オウンドメディア)が更新されたときに、読んでもらえるようにアプローチしたり、Instagramで日々の商品や料理などの写真をハッシュタグとともに発信したりすることで、御社の「ファン」を増やしていきます。Facebookページの作成も重要ですね。
ファンは、口コミで、御社の商品を広めてくれて、新しいお客様を連れてきてくれます。

最後に動画、ユーチューバーをめざそう

ユーチューバーになろうと言う話ではないですが(なれれば最強ですが)、動画を活用した情報発信は必須になってきています。YouTubeに投稿し、自社のサイトに埋め込んで、メッセージを伝えたり、ハウツー動画や、やってみた動画で、バズを産み、アクセス数を増やす手法は、古くからありましたが、ユーチューバーの人気にともなって、とても注目されています。自社サイトに動画を掲載するもの当然ですが、YouTubeに独自チャンネルを開設し、情報発信するのはこれから、B2Bでも必要だとおもいます。まずは人材募集にからめた動画はどうでしょうか。それであればテーマは見つけやすいです。小さな飲食店でも、出来ると思います。スマホ1台で始められる時代です。まだ僕も勉強中ですが、周りの制作者はこぞって動画に移行しています。

さらに、リモート勤務の流行に呼応するように、オンラインセミナーの配信も流行り始めています。ZOOMをつかった、動画オンラインセミナーは、自宅で受講できて、便利です。これも今大ブームです。B2Bの現場では商談をこれでおこなう事も増えています。チェックしましょう

さて、少々お腹いっぱいでしたが、業者に依頼して実施してもらうもの、自分がやらなければ行けないもの、それぞれ別れるとおもいます。各施策の特徴を把握して、お問い合せが増えるようにがんばりましょう。