今さら聞けない。UIとUXの違い

UI/UXデザインという形で、ひとくくりにされる、UIとUX、UIデザインだけで良いじゃないかとも思えますが、なぜUXデザインと言う言葉がついてまわるのでしょう。素朴な疑問だけに今さら聞けない人もいるのではないでしょうか?

UXの定義は、サイト上に簡単な説明から難しい解説まで諸説のっています。突き詰めると泥沼のUX、難しい説明はそちらにまかせて、ここでは、UIとUXの違い、その関係について簡単にまとめて行きたいと思います。

UIデザインとは

 まずは再確認をふまえて、UIについて説明します、UIは、User Interface(ユーザーインターフェース)の略です。インターフェース(インタフェースとも言う)とは、直訳すると、接触面とか境界面と言った意味を持つ言葉です。それが転じて、コンピューターやスマホと、人間の接続部分、すなわち操作画面を示すようになりました。

 UIデザインは、主にコンピューターやウェブサイト、スマホアプリなどの操作画面をデザインすることを言います。アプリのデザインはもちろんのこと、ウェブサイトのナビゲーションなどのデザインもUIデザインの1つです。

 画面デザインを表す言葉としては十分な感じがしますが、UXデザインとなにが異なるのでしょうか

 UXデザインとは

UXとは、User Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略です。エクスペリエンスとは、直訳すると経験、体験といった意味を持った言葉です。すなわち、ユーザーエクスペリエンスとは、ユーザー体験と訳されることが多いです。

 ユーザー体験とは一体なんでしょうか。ユーザーはいろんな場面で「体験」をします。ここでは、ユーザーが、アプリやコンピューターを操作しているとき限って考えて見ましょう。

 あるお申し込みフォームを考えて見ます。UIは美しく入力しやすくなっています。ユーザーは沢山ある申し込み項目を入力して確認画面に遷移しました。すると必須項目が未入力である警告がでて、前にすすめなくなりました。戻ってみると、全ての入力項目が空になっていて、また1から入力しなければならなくなりました。

 こんなときユーザーの心理状態はどうでしょう。「また一から入力するの?」「もう申し込みするのやめようかな」といった気持ちがわいてくるでしょう。すなわち「不快な体験」をしたわけです。このユーザーは再びこのサイトに来てくれるでしょうか?

 ユーザーがこのような不快な体験をしないように、システムの動作やエラーへの対処などまでデザインし、ユーザーの体験を良いものにデザインするのがUXデザインの役割です。

画面デザインをしただけでは、ユーザーが満足するとは限らない

 画面をきれいにデザインしただけでは、ユーザーは満足しないのです。使ってみて、心地よい体験をしたときに初めてそのアプリやサービスに満足するわけです。そこでUXデザインと言う考え方が注目されるようになってきました。

 ではなぜUI/UXと組み合わせて言うのでしょうか。UXデザインだけでよいのではないでしょうか。

 UXデザインが重要といっても、実際のユーザーとの接点はやはりUIです。そもそも使い勝手の悪い、見た目も貧相なインターフェースでは、ユーザーは満足しません。UIデザインあってのUXデザインです。だからUI/UXと併記することが多くみられるのです。

 もちろん、これには賛否両論があります。

UXデザイナーの権限は高ければ高いほうがよい

 先ほどのUXデザインでの事例でも述べたとおり、UXを向上しようとすると、通常のデザインの領域を超えて、改善しなければなりません。例えばフォームに入力済みのデーターが残ってないのは、システムの設計ミスです。そもそも入力時に必須項目にデーターがなければ、警告をだすような設計になっていれば、画面遷移前に入力を修正できます。そもそも、そんなに沢山の入力項目は必要だったのでしょうか?

 設計担当が、開発側なのか、IAなのかにもよりますが、UXデザイナーがこのような部分にまで意見をのべられる体制が必要です。UIデザイナーが開発側のつくった画面設計書にデザインを当てるだけの仕事としたら、UXデザイナーは画面設計書をレビューしたり、場合によっては遷移図や画面設計書を作ったりすることまでを仕事にすることになると思います。

UI/UXデザイナーとして頑張りましょう

 簡単ではありますが、UIデザイナーと、UXデザイナーの違いをまとめてみました。世のUIデザイナー諸君、よりよいUIをデザインできるよう、UXデザイナーとしても業務ができるように精進してください。

 また開発者のみなさん、たぶんに越権してくるUXデザイナーは小うるさい存在かもしれませんが、お客様が満足するシステムを開発するには必要な存在です。ぜひ切磋琢磨してUXデザイナーとともに、よいアプリやウェブサイトを開発してください。

(担当:小山智久)

キゴウラボでは、UI/UXデザインのお仕事をお受けしています。要件定義や画面設計の段階から、UIデザインの部分だけでも、お客様のリソースの足りない部分をお手伝いしています。ぜひお問い合わせ下さい。

ウェブとアプリのUIデザイン