自分が持っている「強み」ってなんなんでしょう。
自分のこととなると、案外わかっているようでわかってない、いいや、客観的に言われて初めて「そうだったのか!」と気づくものかもしません。
そんな自分に対しての再発見として、最近やってみたのが「ストレングス・ファインダー」でした。
自分の中の何を知る?
Facebookのタイムラインを見ていると、1か月に1回くらいはなんらかの性格診断がフィードにあがってきます。
人がやっていると自分もやってみたくなるもので、これまで、エムグラムやら、つい最近は16タイプ性格診断やらいろいろとやってみてはシェア…
人間というのは自己分析が好きな生き物なんだなと思います。
あるいは、自分に対して自信がないことの表れなのかも、とも思います。
「ストレングス・ファインダー」について知ったのは1年程前、私が参加しているビジネスグループで教えたもらったことがきっかけです。
このグループでは、プロジェクトごとにメンバーの中でチームを編成し、企業からのオファーに応えています。参加メンバーはさまざまなスキルを持ち合わせている人たち。そうしたメンバーでチーム編成するとき、誰がどういう適性を持ち、どう組み合わせるのが最適なのかは重要な要素にもなります。もちろん自分自身でスキルだけでなく、どんな特性があるのか客観的に知るのも今後に生きてくるんじゃないか、ということでメンバー内で興味のある人間はやってみようと声があがり、かくいう私も興味を持ったわけです。
「ストレングス・ファインダー」は、世論調査と組織コンサルティング事業を行うアメリカのギャラップ社が「自分の強みを才能として生かすツール」として、50年にわたるデータの蓄積から開発したものです。自分の中にある資質(無意識に繰り返される思考・感情・行動のパターン)を知り、それを強みとして力をつけ、才能に導きだそうというのが主な目的だといいます。
診断はまず書籍を購入し、その書籍についているアクセスコードを用いて、専用の診断サイトで177個の質問に答えていきます。
診断結果は「実行力」「影響力」「人間関係構築力」「戦略的思考力」の4カテゴリー、34種類の資質に分かれており、その中で最も強く表れている資質が1位~34位までのランキングとして表れます。最も特徴的に(強く)表れているトップ5までは無料。6位以降は追加料金を払うことで確認できます。
責任感、親密性…トップ5とボトム5に表れた強みとその疑問
質問形式で出される診断は、単純にYes,Noで答えるものではなく、回答に少々戸惑い、難問か時間切れで答えられなかったものもありましたが、診断の結果、トップ5として表れた私の資質は以下のようなものでした。
1.責任感
2.親密性
3.調和性
4.回復思考
5.学習欲
ちなみにこのトップ5を仲間内に公開したところ、
「ぽい、ね」
「うんうん、ぽい」
とあながち外れてはいないようです。
私自身も
「うん、ぽい、かなぁ」とも思える内容でした。
しかし、当初はトップ5だけでいいやと思っていたものの、それぞれの資質の説明を読んでいるとボトム5、最も下位にある資質も気になります。というのも、このトップ5は「実行力」「人間関係構築力」「戦略的思考力」にカテゴライズされているものばかりで、人に影響に与えたい、主張を聞いてもらいたいという「影響力」の領域が皆無なのです。制作物をチームとして作る以上、この能力が弱いのはいかがなものかと思います。
そこで追加料金を払い全34の資質ランキングを見たところ、ボトム5は以下のものでした。
30.活発性(←確かにこれはあまりない)
31.未来志向(←ん?)
32.社交性(←チームで仕事することも多いんだけどなぁ…?)
33.コミュニケーション(←あれ?弱い?えっ?)
34.原点思考(←あまり過去は振り返らないな)
そう、(← )の言葉どおりいくつかの疑問がわきあがったのです。それは、上記のうち3つの資質はトップ5には表れなかった「影響力」に属する資質だったのです。この仕事、続けていて大丈夫なんだろうか…という不安にさえ思います。
診断結果を読み解くと見えてくる資質の本質
診断結果ページでは「強みのインサイトガイド」や「「特徴的な資質レポート」としてTOP5資質の詳しい説明、強みを生かすための行動計画ツールなどが用意されています。しかしそれを読んでも、それぞれの資質をどう理解し、生かしていくのかがいまいちわかりませんでした。
同じように思う仲間もおり、ならばストレングス・ファインダー認定コーチを招いての読み解きとワークショップを開きましょうということになり、先日参加してきました。
そこで気づいたことは、「資質」には、時には強みにもなり、弱みにもなること(ボトム5がそう)でした。「ストレングス・ファインダー」としては、下位に表れている資質が決してない、弱いというわけではなく、ただ前面に強く出てこないということでした。
「コミュニケーション」が弱いということにだいぶ失望していたのですが、人としゃべる、会話するという単純なものではなく、自分の考えを簡単に言葉で表すことができる資質ということで、確かに発表したりするのは苦手かもと思い、これは納得
またトップ5以降の資質について、12~13個目までの資質も通常表れるものと考慮しておくといいという話でした。
そしてレクチャーやワークショップを通して、自分に強く表れている資質はそれを伸ばすこと、弱い部分はそれを補う資質を持つ人とコラボレーションすればいいのではと思えてきました。
おそらくストレングス・ファインダーがチームビルディングにも最適であるされるのは、スタッフの資質が見える化できるので、それぞれの特性にあわせた作業の最適化がはかれるということや、個々の資質の組み合わせた相乗効果で、成果をあげることができるとされるからなのでしょう。
多くの仕事は一人でやることはあったとしても、決して一人きりでやることはありません。
自分自身の性質や性格を知るツールはたくさんありますが、自分にある資質を追求する、逆にどんな部分が弱いのかを知るものはなかなかないのではと思います。
興味深いのは経験を積むことで、以前診断したときとは違う結果が出てきたという人が多かったことでした。それ自体も新たな才能が磨かれた、成長したと捉えることができるのではと思いました。
追記
ストレングス・ファインダーは、現在2.0の新版が出ています。
(担当:村山ひでこ)