最近、伝えたはずのメッセージが伝わってないと思うことありませんか? マス広告はもちろんネットの検索連動広告さえも、伝えたい人に届いてない。なぜでしょう。さとなおさんの愛称で有名な、佐藤尚之さんの近著、「明日のプランニング」で、その理由と対策を考察しました。

ネットを使わない人が人口の半分弱いる。

まず総務省の調査から、「ネットを毎日利用しない人」は約5670万人にものぼるそうです。(総務省情報通信白書2014第5章第3節 インターネットの利用動向)検索を使わない人が6〜7000万人、SNSを使ってない人が7000万人、高齢者の夫婦や、いまやなにかと話題の「マイルドヤンキー」の方々が中心です。この人たちは基本的にリア充で、情報収集にテレビや新聞を使っています。すまわち、この人たちがターゲットであれば、マス広告はいまだに効くわけです。

情報「砂の1粒」時代を生きる人たち

問題はネットを日常的に使う人たちです。彼らの多くは、日常的に検索をつかって情報を得ています。それ以外にもSNSから得られる情報も重要な情報です。問題はその量。2000年にグーグル日本版開始、2005年ブログブーム、2008年フェイスブック、ツイッター日本版開始、サービスが増えるにしたがって、情報は想像を絶するほど増えています。最近ではキュレーションメディアからオウンドメディアまで、情報洪水どころの話ではありません。

具体的にいうと、2010年の段階で1ゼタバイトの情報量が流れた計算になるそうです。1ゼタバイトとは、世界中の砂の数と同じ数らしいです。すなわち、広告を投げても、世界中の砂粒の1つにしかならないということを意味しています。その情報が、求める人のところに届くのは奇跡です。彼らにとって広告というは基本的にウザく、スルーするものなのです。

仲間ごと情報がふえた

情報「砂の1粒」時代以前は、情報といえばテレビや新聞から得られるものでした。それが、SNSが普及し、仲間ごとの情報が急激に増えました。情報の受け手は、マスメディアより、これらの仲間からの情報を信用する傾向にあります。ここに鍵があります。

友人知人という最強メディア

「今度、ここに行くので、美味しいお店教えてください」という投稿を見たり、答えたりしたことはないでしょうか。ちょっとまえなら検索で調べていた情報を、SNSで聞いてみたりしたりしてないでしょうか。友人知人からの情報は、Googleの検索結果より、信頼性が高く、情報も自分向けに絞り込まれているからです。

態度変容を起こすのはファンからのオーガニックな言葉

この友人知人という最強メディアに、語ってもらえるにはどうしたらよいのでしょう。むりやり言ってもらおう、バズらせようといった媚びはすぐに見透かされるのがオチです。自分の言葉(オーガニックな言葉)で、本音でいってもらわないといけません。そのためにはファンとなるユーザーとつながることから始めないといけません。

ファンをからオーガニックな言葉を引き出すには

 書籍では、ファンからオーガニックな言葉を引き出すのに、つぎの7つのポイントをあげています。

1.社員という「最強のファン」の共感を得る。
2.ファンをもてなし、特別扱いする。
3.生活者との接点を見直す。
4.商品自体を見直す。ファンと共創する。
5.ファンを発掘し、活性化し、動員し、追跡する。
6.ファンと共に育つ。ファンを支援する。
7.ファンとビジョンを分かち合う。

1.社員という「最強のファン」の共感を得る。

まず、最大のファンは自社の社員であることです。社員もSNSを使い、ネットに情報を発信しています。業務上の守秘義務はありますが、新製品オススメです。といった情報を社員が本音で語ってくれれば、口コミは自然と広がります。

2.ファンをもてなし、特別扱いする。

新規顧客より、ファンをもてなし、特別扱いします。そうすると、熱狂的なファンがまわりにオーガニックな言葉で広めてくれます。

3.生活者との接点を見直す。

例えば、スタバのカップに書かれた、さりげない手書きのメッセージは、生活者のファン化と、オーガニックリーチを同時に生み出せます。

4. 商品自体を見直す。ファンと共創する。

 商品やサービスがファン本位でつくられているか、を見直す。商品やロゴなどにファンの意見を取り入れ、一方的におしつけたような商品は作りません。

5.ファンを発掘し、活性化し、動員し、追跡する。

 「この商品を友人に強く薦めますか?」というようなアンケートを行い、回答をよせてくれたファンに対して、体験談や、友達へのオススメ等を働きかけます。

6.ファンと共に育つ。ファンを支援する。

ようするにAKB48です。ファンと小規模な劇場から、共に育ち、握手会などで熱烈なファンの心をつかみ、この子を支援したいと思うようになります。そうやって育ったファンは、常に回りにその感動をオーガニックに語ってくれます。

7.ファンとビジョンを分かち合う。

CSRのような慈善事業ではなく、利益をだしながら、社会貢献をすることによって、社員や賛同者がファン化し、活動の意義や夢を語りたくなります。

 とくに、1番や3番、というところは、すぐにでも実践できるのではないでしょうか?

 口コミのコアは、大人数である必要はありません。繰り返しシェアされていくことで確実に拡散していくからです。

ファンに響くには

ファンに向けて、情報を拡散してもらうにはどうしたらよいのでしょう。ポイントは「共感」です。共感は、あなたとわたしは、そもそも違うという、寂しさから、同じところを探そうとしておこる現象です。そのためには、できるだけ「個」をだすこと。自分だけの経験や思いをかたること、一般論や相手にあわせないことが大切です。そこから同じ思いをもつ人どうしが共感し、つながってゆきます。

 SNSの公式アカウントでも、単なる商品案内じゃない、投稿者の個人がみえるような一言を加えるだけでも、共感は起こります。「伝わらない時代の「伝わる」方法がアナログ的なのは偶然ではない」と書かれていましたが、まさにその通りなのかもしれません。

参考サイト

3分でわかる『明日のプランニング』(http://dentsu-ho.com/articles/2639)

(担当:小山智久)

キゴウラボでは、小さな会社のファンベースの口コミづくりをお手伝いしています。オウンドメディアやSNSを中心に、コアなファンに届くメッセージを考えます。お問い合わせください。

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