「オウンドメディアを活用して会社の認知力をアップしよう」「お金をかけずに効果的に広告しよう」、オウンドメディアを始める際に、さまざまな目的をもってスタートしたと思います。
しかし、最近では、この「お金をかけずに効果的に広告しよう」という目的が一人歩きしてしまい、そもそもオウンドメディアは会社(自分にとって)どんな役割があるのかということが見失いがちになっていることもあるようです。
すでにオウンドメディアを運営している企業にとっては、改めてその役割を考えるきっかけにしてもらえればと思います。
オウンドメディア=広告ではない
オウンドメディアを始める前に、どんな内容で展開していくか、その目的を決めてからスタートすることと思います。
例えばCSRやリクルート目的であれば「会社のことを知ってもらう」ためのメディアということで、自社について深く掘り下げていくような記事を用意していくことになります。
また「開発・販売している商品・サービスを購入してもらう」のであれば、商品に関連する話題を提供するための記事が必要でしょう。
こうして考えると広告とあまり変わりないように思えますが、広告が提供する情報は、商品やサービスそのものの認知、もっと具体的にいえば商品名やサービスの存在を知らせること目的としているのに対して、オウンドメディアで提供する情報は、その商品があることでどんな風に生活が変わるのかまでを匂わせることが目的であり、広告のような一方的なメディアとは異なります。
オウンドメディアの役割とはユーザーの背中を押すこと
ではオウンドメディアが果たす役割はどんなことか…、それは迷っているユーザーの背中を押すこと。
みなさんのオウンドメディアを訪れる人の多くは、知りたいことがあり、その事柄を検索してサイトに訪問してきます。
はじめから目的があって訪れるのであれば、自分の欲求するものがそこにないと離れていきますが、目的と合致した情報さえあれば、サイトにとどまり、他のページにも回遊してさらにその情報を得られるという欲求を満たすことができるわけです。
そうしたことの積み重ねで、次の行動に踏み切ることができるようになるのです。
オウンドメディアに関しては弊社ブログでもいくつか記事を掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
オウンドメディアの役割がわかると費用感もつかめる
役割を理解すると、それに対して、期間や更新頻度、そのために必要な人員コストなどどのくらいの予算をもって運用にあたればいいのか、そんなことが見えてくると思います。
ユーザーの背中を押せるくらいの情報量をいかに生み出せるかは、どのくらいの記事を用意できるかによります。
その記事を用意するのに必要なのは人です。オウンドメディアの立ち上げ時は最低でも10本の記事が必要です。またメディアとして効果検証できるようになるには100本を目指したいところ。
最初の10本なら内製で、担当を一人つければなんとかなると思うかもしれませんが、ブログ、ましてや日報などの文章とは違い、情報を提供するための記事を書くわけですから、そのための鍛錬は必要になってくるでしょう。
また記事のネタをつくるのにも、一人では難しいもの。数人のチームをつくりネタ作りに協力してもらうということも必要になってきます。
※記事のネタ出しについてはこちらの記事を参考にしてください。
最初は社内の人員で賄うことを考えるとは思いますが、担当スタッフを確保することが難しい場合は、こうした記事作成や運営代行を外部に委託するということも必要コストとして見ておくとよいかもしれません。
外部委託する場合のコストは依頼する企業によってさまざまですが、会社にとっての自分自身の人件費がどのくらいかを目安にして考えるとおおよその検討が付くと思います。
※オウンドメディア自体のサイト制作についてはまた別途紹介したいと思います。
オウンドメディアを続けていくために
どんなものでも続けていくうえでは、当初の目的から外れてしまう場合もあると思います。
そんなときこそ、何のために行っているのか、オウンドメディアそのものの役割を考え、また運用のためにはコストもかかるということを念頭にいれておくとよいでしょう。
どのような場合でも、基本としている軸にブレがないことと、必要なところに必要なコストはかかるという心構えを持っておくと、何を考え用意しないといけないのかがおのずと見えてくると思います。
(担当 村山ひでこ)