初心者ライターが学んでおきたい、オウンドメディアで使える文章の型

文章の型といえば、有名なのは「起承転結」ですが、これはもともと漢詩の構成を簡単に表すために便利だった熟語が、普通の表現にも使えると誤解されて広まったもので、記事のような実用文には、通用しないのは当然の話です。それでは、どんな構成が記事に向いているのでしょうか。

原因から結果を述べる、3段論法

結果を先に述べて、その理由をあとからまとめる欧米風に比べて、一般的に、日本で馴染みがよいのは、原因を述べてから、最後に結果をまとめる構成です。

まず序文で、これから述べることについて、課題の確認と、問題点の提示を行います。さらにどのような方法で、議論を進めていくかについてもまとめます。

次に、本論で、伝えたい内容を、問いと答えの組み合わせにして、まとめてゆきます。本論は、いきなり一本調子でまとめようとしても、読者を説得できません。基本的に3分割して、各論にわけて述べていく形が理想です。各論は、重要な物から書き始めるのが基本で、字数はその重要度に従う形になります。

最後に結論は、記事全体をまとめる場所です。本論の要約を行い、拡散した議論をまとめます。そして、序章で述べた問題点を改めて取り上げ、課題に対する答えを提示することになります。

文章量の比率として、序章が1、本論が7、結論が2ぐらいの割合が理想的です。

最初に結果を述べて、理由を付け足す欧米流

一方、プレスリリースやニュース原稿のように、忙しい現場の人に読んでもらわないといけない文章は、結論から書き始めた方がよいです。社内文章などもこれを応用できると思います。

まず、結論を明確に書きます。事実や伝えたい事を、完結にまとめましょう。たとえば、AはBであるといった形です。

その次に、結論に至る理由を述べます。この場合も、3つ程度に別けて理由を述べるとよいでしょう。すなわち、なぜならば、第1に〜という理由である。第2に〜という理由である。第3に〜という感じです。欧米人の書いた文章では、理由を述べるところで、具体的な実例を多数紹介するケースが多いそうです。これも参考になりますね。

最後の章で、以上の理由で、AはBであることが証明される。という形で結論が正しかったことを確認し、締めくくります。欧米人は、この文章構成を、小学校の頃からたたき込まれるそうです。

本論の膨らまし方

本論を3分割して、各論にわけて述べていくことはお伝えしましたが、各論の展開の仕方にはいろいろあります。例えば、

  • 根拠(なぜならば、〜だからです)
  • 定説(一般に〜だとされています)
  • 権威付け(〜によれば、〜とされています)
  • 具体例(たとえば〜です)
  • 事例(かつて〜ということがありました。)
  • 比喩(まるで〜のようなものです)
  • 疑問(なるほど〜という面はあります)
  • 疑問への反論(しかし〜ではないでしょうか)

などが考えられます。これらを組み合わせることで、自分の主張の正しさを、伝えてゆくわけです。特に実際の事例などは、持論を正当化する有効な手段となるでしょう。

オウンドメディアに向いている型はどっち

SEOを考えるとタイトルに結論を匂わせる言葉を散りばめることになりますから、序論の一部は検索結果の説明として表示される可能性も高いので、序論もそれをうけて、読者が検索結果からクリックして記事に来てもらえるよう、問題提起のような、続きをよみたくなるような文章を書くことが求められるでしょう。

つぎに本論で、問題提起に対する答えを、いろいろな角度から述べていくことになります。3分割で各論にわけて書くと、大体文章量として2000字程度になりますので、オウンドメディアとしてはちょうどよい文章量でしょう。それ以上に長くしたい場合は、参考事例などを組み入れて長くする方法もありますが、あまり長すぎる文章は読む側も疲れます。

SEO対策と、読者への配慮のちょうどよいところが、2000字〜3000字という感じでしょうか。すると、各論が250字程度になり、ちょうどペラ1枚分強にまとめれば良いと言うことが分かります。これなら書きやすいですね。ただ、しっかり主張したい場合には、少し短いかもしれません。Webの場合、文章量の制限が緩いですから、文章の内容によっては、もう少し書き込んでもいいかもしれません。

しかし、すぐに他のサイトにいってしまうウェブユーザー、ちゃんと結論まで読んでもらえるようにしないといけません。その為には、文章に緩急をつけて、最後の結論をしっかりと書くことが必要です。このとき、読者は検索キーワードの答えを求めてやってきていることを忘れてはいけません。結論としてタイトル、序章で述べた問題提起の答えがきちんと書かれていることが必要です。

まとめると、オウンドメディアに向いている型は、最初に述べた、序文-本論-結論の三段論法だと思います。結果を先に述べる型は、ニュースサイトなどに向いているでしょう。

(担当:小山智久)