こだわりのノウハウが発信できる、企業やお店にファンが増える、SEO対策にもなると、猫も杓子も始めているオウンドメディアですが、人的な余裕や予算のある、大企業だけのものと考えてないでしょうか。

オウンドメディアは、小さな会社や、お店にとっても、競合他社との違いをアピールし、自社のファンを作るには最適なメディアなのです。この記事では、小さな会社やお店がどのようにオウンドメディアを始めれば良いかを考えていきましょう。

オウンドメディアを始める目的

なぜ小さな会社やお店がオウンドメディアを始めた方がよいのでしょう。理由はいくつかあります。

第 1に、企業やお店のこだわりのポイントや、独自のノウハウを発信することで、ファンをつくることができるからです。オウンドメディアを通じて、何度も注文してくれるファンを作り、友達にもオススメしてくれるロイヤルカスタマーへお客様を育ていくことができます。 

第2に、検索エンジンの変化です。以前のようなリンク重視から、コンテンツ重視に変わってきています。ユーザーにとって役立つコンテンツを沢山発信しているサイトをより上位に表示するようになってきています。またリスティング広告が高騰しているのも理由の1つにあげられます。一方、オウンドメディアは基本的にお金がかかりません。

第3に、オウンドメディアは資産になると言うことです。展示会やセミナー、チラシといったリアルメディアのマーケティングは、多分に一過性のものとなりがちです。それはネットの広告も同様です。オウンドメディアは記事が蓄積されていくにつれ、さまざまなキーワードで検索されるようになり、お客様と会社をつなぐ資産となります。

メリットがあれば、デメリットもあります。記事のタイトルを決め、記事を書く手間がかかります。また効果がでるまでに、半年から1年かかります。

まずはターゲットを明確に

 オウンドメディアの読者を明確にしましょう。性別、年齢、職業、年収、よく読む雑誌、日曜は何をしているかなど、その人の顔が浮かんでくるようなものをメモにしてみます。このようなユーザーモデルを専門用語でペルソナといいます。記事作りで悩んだ場合、かならずペルソナを見て、どの様な人に届けたいのかを再確認します。

次にゴールを明確に

オウンドメディアに期待したいゴールを決めます。例えば売上200%増だった場合、サイトからのお問い合わせを月20件から40件に増やすなどです。ゴールは数字で計測可能なもので作るべきです。専門用語で、最終目標をKGI、中間目標をKPIといいます。

オウンドメディアの場合、あくまでもブランドの認知、ファンの獲得が目的ですから、1年後、ページビューを30万PVにするといった、サイトへのアクセス数をKPIにしてもよいかと思います。

コーポレートサイトでやるか、別サイトをつくるか

 コーポレートサイトで行う場合 

コーポレートサイトとオウンドメディアを融合して運営するスタイルです。LIGコカ・コーラが、その代表格です。(このサイトもこのスタイルです。)サイト内回遊だけ考えれば、オウンドメディアから、コーポレートサイトへの送客を悩む必要がないので、運営しやすいのも特徴です。

 一方、コーポレートサイトがごちゃごちゃしてしまうという欠点もあります。それが嫌な場合は、1コーナーに閉じ込めるよう構成すればよいでしょう。

 すでにコーポレートサイトがCMSで運用されている場合、ブログコーナーを小規模な改造で作り、そこでオウンドメディアを展開することをオススメします。これを機会にコーポレートサイトをCMSでリニューアルするのもよいでしょう。自社のCMSで構築すると、記事ページにSNSシェアボタンを設置できたりなど、構成に自由度が増します。

別サイトを立ち上げる場合

 コーポレートサイトとは別のサイトを立ち上げ、そこで発信するスタイルです。サイボウズ式Beauty&Co(資生堂)、マイカジスタイル(花王)など、たくさんのオウンドメディアがあります。

 比較的大企業のサイトが多いのは、おそらくコーポレートサイトの体裁を維持する必要があること、ブランド認知が目的なので、コーポレートサイトへの送客はあまり想定していないのが理由だと思います。

 小さな会社やお店の場合、最終的にコーポレートサイトに誘導しなくてはなりませんから、トップページのめだつところにコーポレートサイトのリンクを設置する、記事の終わりに必ずコーポレートサイトの言及をするなど、ルールをつくって、運営することが重要になります。

 コーポレートサイトがCMSで運用されていない場合、オウンドメディアのためにCMSを導入することになります。Movable TypeやWordPressのようなブログアプリをサーバーに導入するのが一番自由にカスタマイズできますが、最近では、例えばMovable Type.netのようなサーバー込みで利用できるサービスも増えています。サーバーやCMSの保守をまかせられるので、多いに利用したいところです。

CMSを導入する予算がない場合

CMSを導入する予算がない場合は、ライブドアブログやエキサイトブログのような無料ブログをつかって始めるというのも考えられます。ただし、アメーバブログを使うのはやめましょう。アメブロは、アメーバーユーザー同士のシェア機能がうるさく、デザインが素人っぽくなってしまうのが欠点です。利用規約的にも商用利用が可能か疑問です。いずれにせよ、これらの無料ブログは競合他社の広告が表示される可能性もあります。その辺は、お財布と相談して有料プランを選ぶなどの判断をしましょう。

記事のネタを考える

オウンドメディアの枠組みができたら、記事のネタを考えます。

 まずは記事の仮タイトルを100本考えてみます。1年が約50週ですから、週2本公開したとして1年分の記事になります。タイトルは、SEOキーワードを意識して考えてゆきます。Googleの検索フォームにキーワードを入力すると、一緒に組み合わせて検索される言葉が表示されます。これらを参考にタイトルを考えてゆきます。

 記事は、単なる宣伝にならないように注意します。あくまでもノウハウやティップスの紹介を中心にします。記事は直接仕事に関係ないものでもかまいません。「自分たちじゃないと書けない記事」がベストです。伝えるネタがないと感じたときは、一歩下がって仕事へのこだわりとか、お客様からの声とかを思い出してみましょう。他の部署へのヒアリングも1つの方法です。かならずあなただけのコンテンツがあるはずです。記事のネタだしがオウンドメディアの最大の関門です。がんばって考えて見ましょう。

最後に記事の配信日と、執筆担当者(会社の他の部署も巻き込んで下さい)を決めて、記事のネタ帳は完成です。

記事を書く

記事のネタ帳ができたら、配信順を参考に、すぐに書けそうなネタから記事を書いてゆきます。適切な文字数は諸説ありますが、まずは1500字程度を目標にしましょう。紙メディアではありませんので、文字数の多少は問題ありません。

最初からいきなりベターと文章を書くのは問題外です。最初に概要があり、本題を2,3の段落で整理し、最後に結論をまとめるとよいでしょう。いわゆる起承転結です。各段落には、適切な見出しを付けるのも重要です。記事は検索エンジンからどの様にランディングするかを考えながら、質にこだわって書いてゆきます。適宜、写真や図解などを入れるのも重要ですね。

最後に文字校正、表記のゆれがないかなどを確認し、問題なければ、公開します。最初の公開時は、記事を数本同時に公開し、落ち着いてきたら、お客様の読みそうな日時、例えば火曜と木曜のお昼時などに、記事を定期的に公開してゆきます。

SNSで拡散する

会社のTwitterアカウントやFacebookアカウントがあれば、記事を投稿した旨を投稿して下さい。さらに自分のアカウントで、投稿をシェアしたり、リツイートしたりして、徹底的に記事を拡散します。

検索エンジンで検索される日を、首を長くしてまつ

 検索エンジンのクローラーは、更新頻度が高ければ、最短で即日、遅くとも1週間程度でキャッシュしますが、いままで更新頻度が低かった場合、2週間から1カ月程度かかることがあります。早く確実にクロールされるように、サイトマップXMLを配信するなどを検討しましょう。

しばらく、すると記事タイトルで検索されるようになります。希望する検索キーワードで上位表示されるのは至難の技ですが、コンテンツが増えていくと同時に、検索順位もおのずと上がっていきます。検索エンジンのランキング評価の基準に、コンテンツの量というのがあるからです。

あとは、継続は力なり

書きやすい記事のネタも尽き、ネタに困って、記事を書く速度も落ちてくる時期があるかもしれません。それでも継続は力なりです。3ヶ月をすぎてコンテンツが貯まってきたあたりから、少しずつ反応が返ってきます。かくゆう私たちも始めたばかり、まずは1年。共にがんばっていきましょう。

(担当:小山智久)

キゴウラボでは、オウンドメディアの立ち上げから、記事の執筆・校正といったお手伝いをしています。必要な個所を必要なだけ、ぜひお問い合わせください。

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