2013年ぐらいからぼちぼち聞こえ初め、2016年の今、猫も杓子も始めているオウンドメディアとは、一体なんなのでしょう。今さら聞けないオウンドメディアの定義を、再度確認してみましょう。
まずトリプルメディアの分類ありき
従来のデジタルメディアは、マスメディアに対立するものとして捉えられることが多かったと思います。それを見直し、メディアの性質にあわせて整理したのが、トリプルメディアです。2009年秋に日本アドバタイザーズ協会のWeb広告研究会が提唱したと言われています。
トリプルメディアは次の3つに分類されます。
ペイドメディア
費用を支払うことによって利用できるメディア。マスメディア(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)や、バナー広告や、リスティング広告がそれに含まれます。他のメディアに比べて短期間で企業の意図通り認知、集客させることができるのがペイドメディアの特徴です。
アーンドメディア
ブログやソーシャルメディアなどの、ユーザー主導のメディア。企業の思い通りにはコントロール不可能ですが、うまく利用すれば、ユーザーの信用や評判を得られ、情報の拡散をすることができます。
オウンドメディア
企業自らが管理運営し、情報発信をするメディア。コーポレイトサイトや、ビジネスブログ、メールマガジンなどを指します。簡単に言うと、自社でホームページを持っている会社はすべてオウンドメディアを実践していることにもになります。
自社メディアなので、コントロールしやすい一方、読者が既存顧客中心となり、潜在顧客の発掘がしづらいのが欠点です。
狭義のオウンドメディアとは
最近のオウンドメディアブームで語られるオウンドメディアは、もう少し定義が違うように思います。例えば次のような特徴を持っているサイトをオウンドメディアと指すのではないでしょうか?
- 自社のノウハウや、社会の出来事など、ユーザーが読みたいコンテンツを「記事」としてまとめ、
- 定期的に更新し
- ソーシャルメディアなどで記事を拡散させ、
- 既存顧客だけでなく、潜在顧客を含めて、自社のファン化を進めるメディア
ブログとの違い
どちらも定期的に更新する点は同じです。しかし投稿内容の視点が異なります。
ブログは、「ログ」=記録ということから、日々を記録するということで日記が基本です。そのため投稿の内容も主体的な文章が中心となります。
一方、オウンドメディアは「メディア」ですから、投稿の内容は客観的な記事が中心となる点が大きく違います。
SEOの変化とコンテンツマーケティング
オウンドメディアが注目されたのは、SEOの変化があります。検索エンジンは被リンクだけでなくコンテンツの中味も評価して上位表示するようになりました。コンテンツ(記事)の質が検索結果に大きく影響を及ぼすようになったのです。
一方、ユーザーの変化もあります。ネットには膨大な情報が蓄積され、単なる商品の紹介だけではユーザーは見向きもしてくれなくなっています。商品から少し離れ、純粋にユーザー視点に立ったコンテンツを提供するマーケティング手法、コンテンツマーケティングが注目されるようになりました。オウンドメディアはそのコンテンツマーケティングのツールとして使われるようになったのです。
まとめ
トリプルメディアの確認から、広義のオウンドメディアの定義を確認し、現在のオウンドメディアブームから狭義のオウンドメディアを再定義してみました。そしてブログとの違いを明確にし、ブームの背景にSEOの変化と、新しいマーケティング手法があることも確認しました。
コンテンツマーケティングについては、また別の機会にまとめてみたいと思います。
(担当:小山智久)
キゴウラボでは、オウンドメディアのネタだしから、取材、インタビュー、座談会のサポートから、記事の執筆、校正など、オウンドメディアの編集に関係するお手伝いをしています。必要な個所を必要な量だけ。ぜひお問い合わせください。