企業ブログといえば、社長ブログにスタッフブログ、開発ブログ、広報ブログといったビジネスブログが考えられますが、これらとオウンドメディアは何が違うのでしょうか?広義な定義ではどちらも自社メディアですので、オウンドメディアとも言えるのですが、狭義な定義では明らかに違うように思います。今回はその辺を再度整理してみましょう。

そもそも社長ブログとは

 その名の通り、会社の経営者が自ら書くブログです。経営者が日常、何をして、何を考えているのか、自ら発信することによって、人となりを知ってもらい、会社の向かっている方向を伝えるのが目的です。とはいえ、「ゴルフに行ってきました」「こんな人と料理を食べました」と、完全に日記になってしまい、経営に関する考察が全然書かれてない社長ブログもよく見かけます。日常を伝えることで話題作りにはなりますが、それでは会社の社長のブログとしてよくありません。たまには経営について内省する記事も必要です。

Googleで「社長ブログ」を検索すると、最初にサイバーエージェントの藤田社長のブログ「渋谷ではたらく社長のアメブロ」が検索されます。

このくらいのバランスで、自分事と、会社事をバランスよく発信すればよいのではないかなと思いました。うまいこと自分事から話題をはじめて、最後には会社事を宣伝しているなと思います。

そもそもスタッフブログとは

社長一人で書く社長ブログと違って、スタッフが順番に書いていくブログです。会社にどんな人がいて、どんな仕事をしているのかが分かるので、親近感が沸きます。仕事に関する事はもちろん、趣味の事や、最近のはやり事など、半ば脱線気味で展開される事が多いのがスタッフブログの特徴です。ただこれも、脱線したままでは、会社のブログとしてどうかと思います。硬軟あわせてバランスよく運営していくべきです。

Googleで「スタッフブログ」を検索すると、またアメブロ関係が並びます。アメブロ強いですね。スタッフの名前が書かれてない広報ブログ風だったのでこれらはパスをして検索をすすめると、WWFのスタッフブログがありました。

投稿者の顔写真と共に、投稿が紹介されているところが、典型的なスタッフブログですが、内容が、WWFの活動についてのものばかりで、少々投稿者の人となりが見えません。文章のトーン&マナーを変えたら、そのままオウンドメディアに使えそうです。本当に「スタッフブログ」をやりたいのなら、もう少しスタッフの「自分事」を加えると良くなると思いました。

ブログは「人となり」を伝えるメディア

オウンドメディアがはやったからって、社長ブログやスタッフブログが無用になったわけじゃありません。「自分事」を伝えることで、「人となり」を知ってもらうには、最適なツールです。その事で読者が個人的に好意をもち、それがひろがって、その人の扱っている商品やサービスへの興味となり、購買などにつながっていくのであれば、ブログの効果はあったことになります。

オウンドメディアは「ユーザーの知りたい」を伝えるメディア

一方、オウンドメディアはどうでしょう。オウンドメディアの定義については、過去記事「今さら聞けない、オウンドメディアってなぁに?」に詳しいです。

オウンドメディアは、ブログのように「自分事」を伝えるメディアではなく、「ユーザーが知りたいこと」を伝えるメディアです。「メディア」ですからブログのように自分の書きたいことをつらつらと書き連ねるのではなく、SEOキーワードなどを分析して、ユーザーがいま何を知りたがっているのかを知り、客観的な視点から記事をまとめます。ブログが日記だとすれば、オウンドメディアは雑誌です。企業のなかに出版社を立ち上げ、ユーザーの知りたいに答えることで、企業の認知や、お問い合わせ増などにつながることを期待するわけです。

ブログとオウンドメディアどう使い分ける?

ブログをやっている企業は多いでしょう。さらにオウンドメディアを始める事になると、記事執筆の負担は増えます。いままでブログで書いていた、商品レビューのような記事は、オウンドメディアのほうへ展開できるでしょうし、商品の不具合といったニュースは、引き続き広報ブログやインフォメーション等で取り上げるべきでしょう。

社長ブログ、スタッフブログといった人となりを知ってもらうブログは、仕事の話から少し距離をおき、更新も不定期でゆるく運営していくことをおすすめします。特に社長が個性的で、その個性で営業がまわっているような会社の場合、社長ブログは社長に任せてよいと思います。自分事と会社事のバランスだけ注意ですね。スタッフブログもいままでのように無理に会社事を書かず、自分事を発信して、楽しい会社であることを知ってもらい、新たなスタッフに来てもらえるようなメッセージを伝えてみてはと思います。ブログは負担なく楽しんで更新できればいいと思います。

一方、オウンドメディアは、なかば戦場です。情報「砂の1粒」(「書評「明日のプランニング」伝わらない時代の「伝わる」方法」を参考)時代のなかで、他のメディアをかきわけ「知りたい」と思っている読者に伝わるよう、SEOキーワードを分析し、SNSを活用し、ニーズに合った記事を、渾身の力をふりしぼって記事を書きます。定期的に配信する日を決め、発信してゆきます。記事はブログとはことなり、場合によっては競合他社の製品を取り上げるぐらいの客観性が求められます。オウンドメディアの運営には一種の戦略と、緊張感が必要です。

まとめ

とはいえ、ブログとオウンドメディアが違うといえ、「ブログ」という名のオウンドメディアで何を語るのかと悩みました。内容的にも、果たして2000字まで、膨らますことができるのか、不安な書き出しでしたが、冗長ながらも書くことができました。

  • ブログ=「自分事の発信」=「人となりを知ってもらう」
  • オウンドメディア=「ニーズの発信」=「ユーザーの知りたいを知ってもらう」

この2点をおさえて、使い分けていただければと思います。

しかし、世の中ブログやオウンドメディアがどんどん増えていくと、どうなるのでしょう。情報洪水のなかで見つけてもらうのは至難の技です。もちろん探し出す方も苦労するでしょう。読者との出会いは奇跡とも言える出会いと言えます。どちらも、その読者に満足してもらえるような記事を書くことが、大切な事となるでしょう。

(担当:小山智久)