村山です。

8月14日にWebSig「第2回ライティング&エディトリアル講座」が開催されました。第1回のUst放送にも参加させていただいた流れもあり、ワークショップの発表の講評をということでお招きがあったのです…が、しかし、いろいろお話したいことがあり、逆に短い時間に何を言えばよいのか焦ってしまい、きちんとした講評もまた課題についての回答もお話できなかったので、この場を借りて、全体的な感想もまとめてみたいと思います。

集めて編んで伝えるということ

ワークショップは4〜6人程度に3グループに分かれて行われました。

モデレーターさんが用意した課題は以下の3つ。

  1. 新しく売り出す学習机のページを作成しなくてはいけないが、渡された素材がパンフレットのみ。ここからページを作成するため、サイト訪問者を整理しワイヤーフレームを作成しながら、サイトの目的に合わせたコンテンツついて考える。
  2. クライアントから少量の文章素材と低解像度の写真しかでてこなかったが、これをどう解決するか、課題解決法を探る。
  3. 「コトバ地図」を作成してみる。当日、最寄り駅から会場までの道のりを文章で案内することで、場所を知らない訪問者に言葉だけでつたえられるか、どのように伝えると伝わりやすいか考える。

課題1は編集の「編」、課題2は「集」にフォーカスをあてた内容、課題3は私からの提案で、書き方の技術というよりも、どう伝えるかということを中心に考えてもらいました。Webの制作現場ディレクターやデザイナーが「どうしようもなくて原稿を書く」ということが多いということなので、原稿の用意があまりされない「会社までの案内」ページを想定しました。

それぞれの課題については、これが正解というのないのですが、「私なら」というポイントをいくつか出してみます。

 

課題1の場合

素材となったパンフレットには、学習机の一番売りとなる机上ライトの機能の細かい説明とコスト、そしてその製品シリーズの歴史が書かれていました。

クライアントからは、ターゲット層は「お母さん」ということでしたので、この場合どこまで「お母さんの目線」になれるかかと思います。

以前は学校へ入学するとなるとランドセルとともに学習机がセットで買われていたものですが、今は住宅事情(特に東京)などで敬遠されるようになってきています。

「お母さん」が一番心揺さぶるキーワードは何かを探っていくと、実はコストは二の次で、一押し機能である机上ライトが子供の目に優しく健康的かということではないかと考えます。

なので、私の場合だと子供への健康の配慮にスポットをあて、製品シリーズの歴史は小さく、最後の方にいれると思います。

これについては、検討中、コストか健康かでかなり議論されていたグループがありましたが、最後はどこのグループも「健康」に着目されていました。

 

課題2:素材

素材が出てこない!というのは往々としてあるもので、これは私自身も未だに困っていることが多いです。

現状解決策としては、事前に

・最初のヒアリングをインタビュー時間と考えできるだけ会社のことを聞き出しておく。

・何をどこまで用意するのか、クライアント側と制作側それぞれが用意する(納品する)ものを最初にリストアップしておく。

制作に入ってからは

2つ目は第1回Ust版でも同じ回答をしたのですが、「ダミー」や記号での表示はなかなか雰囲気をつかんでもらうことができません。またxxxは英字扱い、1バイト文字ですので、そもそも日本語が入る文章なのに字数も雰囲気も違うということからです。

ダミー原稿作成には、最近便利にしているサイトがあるので、これを使うと便利でしょう。

ダミーテキストジェネレータ

http://dounokouno.com/webtools/dummytext/

ちなみに私の場合、青空文庫から宮沢賢治の「イギリス海岸」をダウンロードし、使用しています。

例)

夏休みの15日の農場実習の間に、私どもがイギリス海岸とあだ名をつけて、2日か3日ごと、仕事が一きりつくたびに、よく遊びに行った処(ところ)がありました。

 

課題3:コトバ地図のポイント

「コトバ地図」は道順を言葉で説明するというもので、当初は視覚障害者が該当施設に行く場合、道を尋ねるときに利用するためとして、アクセシビリティの観点から取り入れられたものですが、地図(画像)の代替としても、われわれ健常者にもかなり便利なものです。地図が弱い人もいますし、複雑な道順、入り口がわかりづらいところにあるなど、単純に地図を置いただけではわからない情報を「コトバ地図」で補うことができるからです。

コトバ地図のポイントは

(1)情報はできるだけ絞ってシンプルに。

ランドマークとなるポイントはできるだけ絞ること。あまり事細かく書くと、聞いた相手が知らなかったりする場合もあります。前方に見えるもの、すぐ真横に見える者にしぼるといいです。ただし、「前方に○○ビルがありますがそこには行かずに」というのは迷うので、行く方向だけ指すといいです。

(2)道順は来たとおりの順番に

「ちょっと戻って」というのはわかりづらいので、あくまでも見えるものを順番に。

(3)状況説明は省く

「人の流れに逆行して」「人通りの多い道」「ごちゃごちゃした道」というのは時間によって変わりますので、的確な情報ではないですし、感覚的な情報なので、こうした情報は省いたほうが無難。

の3点です。

課題ではJR渋谷駅から会場である「ティーズ渋谷フラッグビル」(H&Mの入っているビル)まで道のりをコトバにしてもらいました。大きな道をほぼ道なりに進めばいいので、地図上では簡単に見えますが、渋谷ならではのキラーポイントがありました。

 

ココにはまると注意!

トラップ1:スクランブル交差点

これはどの方向に渡るのかを明確にしないといけません。

3グループ中2グループはQ-frontビル、ツタヤの入っているビルとしていましたが、一番いいのは「大盛堂書店の前」ということ。ビル名は以外に知っている人も少ないし、しかもツタヤよりもスターバックスが目立っているのです。

トラップ2:ヤマダ電機、ドンキホーテ

道路の反対側なので、この施設名を言ったらそこに誘導される恐れもあります。大きな道路を隔ててしまうと、次のポイントを探せない場合もあり、自分の位置をロストしてしまうことになります。

以上を踏まえて、ご参考までに私が作成した「地図」は以下の通り。(決してこれが正解!というわけではないのですが…)

「JRで来られる場合」←どの路線からのものか最初に書く。

ハチ公口改札口を出て、スクランブル交差点の方向に向かってください

スクランブル交差点を、大盛堂書店前に着くように渡ってください。

大盛堂書店の向かって左手の道を進んでください。正面に109が見えてきます。道なりに進むと道は右側にまがりますので、そのまま、まっすぐ東急百貨店本店方面に道なりに進んでください。

途中、ソフトバンクショップ、au、クラブセガなどのお店があります。

さらに直進していきますと、H&Mというお店があります。このH&Mが入っているビルがティーズ渋谷フラッグです。

H&M店舗入り口を通りすぎると、ティーズ渋谷フラッグの入り口があります。

入り口を入ると正面にエスカレーターがありますので7階の7−xルームまでお越しください。

コトバ地図も何が正解という明確なものはないため、グループの中で一番わかりやすかった人の地図を発表してもらいましたが、決めきれず発表出来なかったグループや、一番のポイントである「H&M」が抜けていたりするなど、周りの状況を説明するのに一生懸命でポイントを見落とすということが発生していました。

 

全体的な感想

課題1,2は話し合って進められるので、比較的解決の糸口がみつかりやすいのですが、課題3は、1人で考える、そして表現するという点では、ポイントを絞り、シンプルに的確に伝わる文章を作成するという訓練になったんじゃないかと思います。

ライターではない職種の人間が文章を書くということ、その作業の対価がきちんと払われているのかどうかなどグレーな部分がまだ残っていますが、文章の種類が紙媒体にくらべて多いウェブはクライアント担当者も用意しきれない原稿が多いと思います。

文章を書く体験をすることで、クライアントが何を用意しなくてはいけないのか、今後CMSでの更新がますます増えてくると思いますが、コンテンツ作成だけでなくコンテンツ運用も含めた提案が重要になってくるかもしれません。

  • ワイヤーフレームやデザインでは暫定的な見出し(項目)を提示しておく
  • その際、文章は「ダミーダミー」とか××とか○○○ではなく、日本語(カタカナを忘れずに)と英数字が適当に混じった文章を想定する本文の文字数分を入力しておき、雰囲気をつかんでもらう。