オウンドメディアを運営する場合、コンテンツ制作の上でインタビュー記事を掲載するということも起こるでしょう。またオウンドメディアに限らず、Webサイト制作においても、社長インタビューや社員へインタビューして、それを記事にすることもあるかも。予算があればライターに任せるということもできますが、自らやらないといけない場合のために、仕事柄ほぼ毎月のようにインタビューの現場にいる私から、覚えておくと便利なことをご紹介します。

インタビューで大切な準備段階

どんな場合でも必要なのは準備です。

インタビュー相手の調査

プロフィールはもちろん、その人物が担当している業務内容(プロジェクト)はできる限り把握しておく必要があります。またこれらがないとできないのが、次の段階のものです。

取材企画書の作成

本ブログの「スマートな取材・インタビュー依頼には取材企画書を用意でも紹介した取材企画書を作成します。どんな目的で、どんな内容の話をきくのか、インタビュー先と共有しておくことで相手も準備ができるからです。

取材企画書は最低でも取材の3日前までには作成して相手先に送っておくと、相手も準備をしてきてくれるので話がスムーズに進みやすいです。

※取材企画書の作成は上述の記事をご参考ください。また弊社で使っている取材企画書の汎用版もダウンロードできますよ。

インタビュー当日

取材企画書を持っていくのはもちろんですが、以下のものは絶対忘れないように前日準備しています。

ICレコーダーなどの記録機材と予備乾電池

ライターさんは2台使う人が多いです。例えば、途中で電池切れを起こしたりしたとき、どちらかの機材が不調かもしれないという万が一のためにということなのでしょう。

最近ではデジカメの動画機能を使って動画撮影するライターさんもいます。相手の表情だったり、資料を指し示して話したりする場合は確かに動画の方が便利です(音声だと「あれ」「ここ」だけなのでなんだかわからない)。私も最近はICレコーダーで音声録画し、iPhoneで動画撮影ということが多くなりました。

またICレコーダー用の予備電池は必ず1本いれています。これがないために、かなり慌てたことも何回かあります。

ノート

インタビュー内容をメモするためのノート、でも話を聞きながらメモをとるのはかなり大変です。なぜなら質問をしないといけないから!

相手が話したことを一言一句書くのはまず無理。その記録はICレコーダーに任せればOK。ただし必ず書き取るようにしているのは以下のものです。

  • 重要なキーワードになりそうな言葉
  • 時系列で説明されたときはその経緯について
  • 数字関係(年月日、金額、人数などなど)
  • 場所

また、話の核になりそうな部分にさしかかったら、そのときにICレコーダーに表示されている、だいたいの経過時間をノートに書いておきます。あとで録音を聞き返すときに、その部分を探す必要がなくなるので便利です。

※インタビュー方法については「Webディレクター必要なのはヒアリング力よりインタビュー力」でも紹介してますのでご参考ください。

インタビュー記事を書く

さて、インタビューが終われば記事の作成です。できるだけ記憶が薄れないうちに文字にしておきます。

テープ(データ)起こしの専門業者に依頼する

長時間にわたるインタビューであればデータ起こしの専門業者に依頼すると、録音から文字起こしをしてくれます。また話し言葉にありがちな「え~と」「う~ん」など無意識出てしまう言葉を排除する「ケバ取り」をしてくれます。

ケバ取りをしないものは「素起こし」といいます。この場合料金は安いですが意味のない言葉もそのまま文字になるので、おすすめできません。ちなみに弊社で利用しているのは東京反訳というところです。できあがった原稿もこちらの指示通りでした。またテープリライトは老舗。以前務めていた出版社では、座談会の際はこの会社を使っていました。

もちろんこれでインタビュー記事になるわけではないので、ここから、規定の字数、構成にあわせて記事作成に入っていきます。

テープ起こしは頼まず自分で作成する場合

1時間程度のインタビューで2000~3000字程度の記事を書くには、上記のようなテープ起こしに依頼せず録音とメモだけで作成できるでしょう。作成する方法はさまざまなありますが、私の場合はメモを主体に書き進め、わからない部分はテープを聴き直したり、動画を確認したりします。

インタビュー記事で大切なのはリズム感と相手の特徴

話し言葉を文章化すると、そのときに盛り上がった話でもわりと平易な感じになりがちで「なんかつまんない…」という印象になるかもしれません。そんな時は文章の抑揚(リズム)を意識するといいと思います。

 例えば

「初めて担当したプロジェクトだったので毎日心配ばかりだったのですが、1ヶ月して軌道に乗ったときとても嬉しかったです。」

という表現よりは、

「初めて担当したプロジェクトだったので毎日心配で…。でも1ヶ月目には軌道に乗ったときはとても嬉しかったですねぇ!」

という具合に。また相手の話し言葉に方言が入るなど、特徴的な言葉はそのまま方言で表現すれば、相手の特徴や人柄が表れます。

一問一答方式か、一人称か、三人称形式か

文章にするにもさまざまな形式があります。

  • 一問一答方式:質問文がとその回答文が交互に続く、Q&A的な書き方です。
  • 一人称形式:取材相手が自分で書いたかのようにするもの。ライターはいわゆるゴーストライターになるイメージです。
  • 三人称形式:インタビュアーの言葉で記事をまとめていくもので、インタビュー相手の言葉以外にもそのときの表情や雰囲気など、別の情報を盛り込んでいく方法です。

どういう形式にするかは、掲載するメディアの内容・方向性にもよりますが、初めてインタビュー記事を作成する場合は、一問一答形式のほうが作成しやすいです。

記事の確認をとる

インタビュー記事ができたら相手へ確認をとること。原稿を作成する上で足した言葉もあるでしょうし(もちろんインタビュー内容の範囲内で)、解釈に齟齬がないか必ず確認をとるようにすることが必要です。実際に文字化されて、インタビュー相手も初めて客観的に自分が言ったことと向き合います。当然修正もいろいろ入ってくると思いますが、ここで大切なのは「落ち込まないこと」です。

また記事を相手に見せるのは、内容の整合性をとるだけでなく、相手に信用してもらうということにもなります。

インタビュー記事作成が上達するには…?

私の場合、編集の立場で立ち会うので、実際のインタビュー記事作成はライターさん達にお任せすることも多いのですが、一緒にお仕事しているライターさんはベテランの方が多いので、行くたびにこちらも勉強になります。

 時には自分でインタビューして、記事を作成することもあります。毎回試行錯誤、緊張もするし、「アレを聞いとけば」「あの話もっと突っ込んでおけば…」と反省の連続です。とはいえ、インタビューも積み重ねていくと、質問することには慣れていきますし、話ながらでも「文章にするとき、この部分を大きく出そう」と言うポイントもつかめてきます。

 「上達するには…」の問いの答えは、積み重ね。また雑誌などさまざまなインタビュー記事がある中で、「こういう感じの原稿にしたい」というものがあればそれを真似するというのも上達方法の一つです。

 「真似をする」ということは、インタビュー記事だけでなく原稿制作の上でも一番の文章上達方法です。

(担当:村山ひでこ)