DX(Digital Transformation / デジタルトランスフォーメーション)がバズワード(はやり言葉)のように、あちらこちらで語られてます。ちょっと食傷気味になってきたこの言葉ですが、その本質を知ると、キゴウラボもお客様に提案しないといけないと思うし、自分達も実践しなければならないと思います。
ではその本質とはなにか、鍵はデジタルのほうでなく、トランスフォーメーションのほうにあります。すなわち、いまのビジネスをずらす。あたらしい事業を構築する。効率化の先にある破壊的イノベーションをビジネスの現場にもたらすコトが本質です。
以前のIT化は、ファイルサーバーを導入して顧客データをシェアする、見積もりや請求書をクラウド化して、押印文化とおさらばするなど、どちらかというと「業務の効率化」が主眼で、その多くは社内での決まり事を効率化していこうということでした。
DXはそうのような、内向きの効率化ではありません。むしろ、顧客に提案する、サービスや商品そのものを、デジタル時代にあったものに変革する(トランスフォーメーション)することに意味があります。つい、クラウド化だ、セールスフォースだ、SAPなのど基幹システムのリプレイスだ、CRM・CMSの導入だというツールドブリンな話が先行しがちですが、それは本質ではありません。むしろ変革すべきは、新しい時代にマッチした、商品やサービスを産み出すビジネスモデルの変革です。
2018年に経済産業省が公表した定義には、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とあります。
具体的には、部署横断的なタスクフォースチームを作り、外部のコンサルタントなどを巻き込み、第3者視点で意見をもらい、AB3Cのようなフレームワークを使って、自分達の立ち位置と、他者にたいする差別的優位点を明確にし、進むべき戦略をつくる。その過程で必要となるデジタルツールがあぶり出されるのです。
戦略なき戦術は、流行と共に廃れていきます。DXを実現するためも、デザイン思考やそれを使ったデザイン経営の考え方が必要であることがわかると思います。