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Movable Type vs WordPress徹底比較 どっちのCMSを選ぶ?

Movable Typeと、WordPress、どちらもブログベースのCMSなので、比較されがちですが、その提供方法も機能も大きくことなります。世の中的には、「CMSといえばWordPress」というくらいデファクトな感じになっていますが、まだまだMovable Typeも負けていません。筆者はMovable Type派なので、なぜ主流のWordPressを選ばず、Movable Typeを選んでいるのかも含めて、徹底比較してみたいと思います。

有償か無償か

Movable Typeと、WordPress、その普及率に差が付いている最大の理由は、正直この点だと思います。WordPressはGPL準拠のオープンソース。かたやMovable Typeは有償のパッケージです。予算がないときは、WordPressを使いたくなりますよね。

あまり知られてないのかもしれませんが、Movable Typeも無償で使えるケースがあります。個人無償ライセンスと、開発者ライセンスです。前者はインストールして使えるのは1つに限られますが、アフリエイト等の利用が許可されています。後者はプラグイン開発の動作検証などに使えるライセンスで、複数つかえますが、アフリエイトなどには使えません。すなわち個人ブログを1つだけ運用したいのであれば、Movable Typeも無償で使えるのです。

残念ながら、バージョン5のときにあった、オープンソース版のMTOSはなくなりました。商用利用をする場合はライセンスを購入する必要があります。

このライセンス。無償のWordPressと比べて、10万近い金額なので高いという印象があると思いますが、どちらを使っても、当然実装費用を請求されるわけですから、その実装工数の工数を考えると、十分吸収できる金額だと思います。さらにベンダーの公式サポートもあり、万一のときにも安心です。WordPressを選択してプラグインのカスタマイズに工数がかかってしまった場合に比べると、大して差がなくなると思います。

もうひとつは、Movable Type.netの登場です。プラグインがインストールできない、使えるブログ数に制限があるなど条件はありますが、サーバー代とアプリケーションの保守もついて、月2,100円から利用できます。フォームメールのような基本的な機能は用意されています。保守が任せられるのがとてもいいですね。安心してお客様が利用できます。小規模サイトであれば、サーバー代程度で使えるわけですから、利用しない手はありません。

動的か静的か

これも両者を比較するときに、必ず話題にあがりますよね。WordPressは動的生成、Movable Typeは静的生成です。実は、Movable Typeも動的生成で運用することも可能です。あまりつかわれることはないですが、ハイブリットな作りも可能です。ちなみにMovable Type.netは動的生成です。

動的サイトは、アクセスが集中したとき表示が重くなることがあり、サーバーの選定は重要です。キャッシュプラグイン等でアクセスの集中にも耐えられるように、チューニングする必要があります。また、自動アップデートにプラグインがついて行けず、プログラム上のループにはいってしまい、サーバー側に負担がかかって、サーバー会社から遮断されたという話も良く聞きます。自動アップデートは使わず、開発サーバーで確認をとってから、バージョンアップするなど保守の契約はとても重要になってきます。

静的サイトは、公開されているHTMLはすでに静的に出力されたものなので、Webサーバーが耐えられる範囲であれば、過度のアクセス集中にも耐えられます。しかし。静的に出力するため、公開の度「再構築」を行う必要があり、それに、時間がかかります。新着記事1本程度でしたら時間もかかりませんが、デザイン変更をして、全てのページに反映したい場合、ブログに記事が大量にあったりすると、再構築も数十分から、場合によっては数時間かかってしまうことがあります。これもバックグラウンド再構築であるとか、アクセスのあったときに再構築といった工夫でその負担を軽減することができます。

複数ブログの管理とマルチブログ機能

Movable Typeは標準で、複数のウェブサイトと、その子どものブログを管理することができます。さらに特定のブログに、他のブログの情報を表示することが可能です。(マルチブログ機能)たとえば自ブログの情報と他ブログの情報を一覧として、混在させて日付順に並べるなどです。これによってコンテンツ別にブログを別けて管理することができます。

WordPressは標準ではなく、マルチサイト機能を設定することで、複数のブログを管理することができます。(ネットワーク化という)Movable Typeのそれとは異なり、完全に別サイトをつくるような機能です。Movable Typeのような他のブログの情報をもってきて表示できるか、調べた限りでは分かりませんでした。

ネットでの情報では、このWordPressのマルチサイト機能、対応してないプラグインがあったり、サーバー環境に依存したりと、なかなか鬼門な機能のようです。人によっては、避けた方が良いという意見もあります。(もちろん便利だという意見もあります)

マルチサイトが使いやすくなったのは最近のことなので、WordPressの伝統として極力シングルサイトでサイトを構築しようとする発想になります。そのため、Movable Typeではテーマ毎にブログに別けるところを、WordPressでは第1カテゴリーでテーマ別けする使い方となります。そのため、大規模サイトではカテゴリー欄が煩雑になり、使いづらくなってしまうという話もあります。

テンプレート実装の容易さ

Movable Typeは、MTタグと呼ばれる言語によって実装します。原則、コンテンツを出力するタグはHTMLを含まないので、自由なデザイン(コーディング)で実装することができます。そのためプログラマーではなくデザイナーやコーダーでも実装が可能です。またIf文やFor文、SetVar等変数定義も可能なので簡単なプログラマブルな処理もテンプレートで記述することができます。プラグインに過度に依存する必要がないのはこのためです。

WordPressは、WordPress関数とよばれる、PHPの関数で記述していく形になります。関数によっては、たとえば一覧表示を、<ul><li>で出力するように実装されているものがあり、これをたとえば<dd><dt>に変えたいとなると、いきなりPHPのプログラムを記述しないといけないハメになります。与えられたものをそのまま使う分には簡単なのですが、カスタマイズしようとすると一気に敷居が高くなる印象です。そのため初心者はプラグインに頼りがちになってしまいます。ただしPHPが書ける人にとっては、自由度が高くなんでもできるので、使いやすいでしょう。

プラグインの充実度

これはWordPressに軍配があがります。Plugin Directoryには4万数千ものプラグインが上がっています。ただし、これらをいちいち検証してられませんので、おのずと使うプラグインは限られてくると思います。メーカーの検証もされているわけではありません(多分)、ユーザー評価を参考に使うということになります。基本的にドキュメントもインタフェースも英語です。また常にメンテナンスされているプラグインでないと、アップデート時にトラブルが発生します。その点も注意が必要です。

Movable Typeのプラグインは、Movable Type Plugins and Themes Directoryに数百あがっています。これらはメーカー(SIx Apart)が公認する高品質なものだけを集めています。Movable Typeのプラグインの特徴として国産のプラグインが多いという点です。ドキュメントは日本語が多く、開発者もブログ等で積極的に情報公開されている方が多いので安心して使える物が多いのが特徴です。使い方がわからなかったら作者に聞いてしまうという手も使えます。

また、オープンソースでないMovable Typeは商用プラグインが充実しているのも特筆する点でしょう。PowerCMS、Aシリーズなど、著名な有償プラグインは数多くあります。シェアウェアで有名なものもあります。これら商用プラグインはサポートが充実しているのが魅力です。WordPressは、ライセンス関係で、商用プラグインをつくっても、自由に配布されてしまいます。商用プラグインがないわけではないですが、おそらくPowerCMSのような大規模ものはないでしょう。

テーマの充実度

これも完全にWordPressに軍配があがります。Movable Typeで弱いのはテーマです。WordPressには、有償、無償のテーマをあわせて、おそらく数万のテーマが存在すると思います。一方、Movable Typeのテーマは多くて数十にとどまっています。これはなぜでしょう。

Movable Typeは、商用利用が中心のため、テーマを流用するという発想が制作者に無いからだと思います。WordPressのように無償テーマをつかって、画像だけを入れ替えて納品するというレベルの仕事では使われてないと思われます。またデザインが自由なので、テーマの必要性を感じない点、管理画面でテンプレート実装を行うので、いちいちテーマ(ファイル)に書き出して整理するのが面倒などいろいろ理由が考えられます。

一方、Movable Type.netは、汎用的にカスタマイズして使えるテーマを増やしており、これらを流用してサイトをつくるという仕事はできるかなと思います。

 WordPressは、利用者の多い北米を中心に、沢山のテーマが有償、無償でつくられています。おそらくこれらのテーマをつかって、画像等をいれかえカスタマイズし、納品するという、仕事が多いのだと思います。ただ膨大なテーマから最適なものを選ぶのは一苦労だと思います。英語で綺麗に見えていたテーマに日本語を当てると悲しい感じになるというのもあります。日本語向けテーマが増えればよいですね。

1つ注意点、WordPressのテーマに巧妙にマルウエア(ウイルス)が仕込まれているものがあったそうです。利用者の多いWordPress、人が集まるとことは狙われやすいもの事実。オープンソースですから利用は自己責任です。WordPress.orgで公開されているテーマはなにがしかのチェックがされていると思いたいですが、注意は必要です。

まとめ

2つのCMSの違いについて、つらつらと書いてみたら結構な文字数になりましたが、いかがでしたでしょうか?多分にMovable Typeびいきな書き方ですが、WordPressも素晴らしいCMSです。セキュリティと、負荷対策をしっかりして、情報整理にカテゴリーを使うのではなく、カスタム投稿タイプ等を使うなどすれば、高負荷で複雑なサイトでも十分に使えます。ただし使いこなすためには、PHPの勉強は必要だと思います。

弊社はMovable Typeコミュニティに近いところにいますので、第一選択はMovable Type/PowerCMSになってしまうのですが、予算の都合や、すでにWordPressがインストールされているといった事情で、WordPressで制作を行う場合もあります。弊社は編集設計会社ですので、実装は外注さんにお願いするのですが、小規模なサイトをやってくれる方、もう少し本格的なサイトをお願い出来そうな方、かなり大規模で複雑なサイトをお願いできそうな会社の方とそれぞれつながりがあります。(もちろんMovable Typeも同様なネットワークがあります)

どちらのCMSも、適材適所で選んで実装すれば、いいサイトが出来上がると思います。CMS案件がありましたら是非ご相談ください。

  

(担当:小山智久)

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最終更新日:2017年3月 8日

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