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真っ当なネットメディアを増やすために必要な「安全講習」

「安全講習」というのは建設工事現場でよく行われているものです。現場によっては安全委員会、安全連絡協議会といっているところがありますが、どの場合でも現場作業の安全について話したり、また確認しあったりするもので、多くのところは月に1度の割合で必ず行われています。

この安全講習という概念が、われわれネットメディアにも必要な時代なのではないか、というのが今回のテーマです。

徹底した安全対策

 現在私は現在広報誌を2誌の企画・編集を担当していますが、その2誌とも、建設業関連のものです(一つは建設業団体、もう一つは官公庁)。

 建設業のことを「きつい、きたない、きけん」の3K職業と自虐的な言い方でいわれることがありますが、「きつい」職場は建設業に限らずどの職業でもありえることですし(我々の業界のほうがかなりきついんじゃないかと思いますが)、「きたない」は一生懸命働いての結果であって、それを汚いというのは失礼な話で、そういう現場は何も建設業だけに限ったことではありません。

 しかし危険だけはどうしても避けられないもの。高所作業、重機を使う作業など危険な場所、作業だけは避けられない場合があります。場合によってはケガだけでは済まず、死亡事故も起こりえることも。それは自分に対してだけでなく、対人の場合もあるのです。そこで必要なのが徹底した安全対策です。安全管理については、元方事業者(発注側)の責任において、労働安全衛生法の順守が定められています。また「元方事業による建設現場安全管理指針」でも、建設現場における労働災害防止対策の一環として、元方事業者が関係請負人に対し、安全大会等を参加、安全のための講習会への参加を促すことなどが義務付けられています。

ある建設現場では、元方・関係請負人合わせて20社近くの業者がおり、そこでは月に1度、現場監督レベルの担当者が集まり、互いの現場を視察し、安全管理が行き届いている確認あるいは指摘し、次月の会議までに改善するようにしているのだそうです。さらに、工事現場の安全に関する勉強会も兼ねているので、業者持ち回りで安全に対しての事例や国・業界団体が発信している情報等を共有するようにしているとのこと。

安全・安心なネットメディア運営のために

私たちのいる出版・ネット業界では、死の危険を伴うような作業はほぼないといっていいので、上述したような安全対策は必要ないでしょう。しかし、安全・安心は何も身体を傷つけることだけではありません。

ネットメディアを運営していれば、記事に対して誹謗中傷がエスカレートし炎上に発展することも起こりえます。寄せられたコメントの内容によっては精神的に傷つく場合や、プライバシーを侵害するような事もあるでしょう。話が肥大化し、虚構の入り混じった話題が独り歩きするようなことにも発展しかねません。

また昨年、ディー・エヌ・エーのウェルクから端を発したキュレーションメディアの著作権侵害問題も、運営側の安全管理が必要とされる事象だったといえます。

こうしたことが起こらないためには、事前に防止策をマニュアル化しておくことも大切ですが、メディアの運営は「ナマモノ」。何が起こるかは実際に運用してからでないとわからないものです。

そこで必要なのが「安全講習」の概念なのではないかと思います。

収益やPV数のことだけでなく、月に1度、運営しているメディアの中で、安全な運営を妨げていることはないか、また運営マニュアルが守られているか関係者が確認しあうこともメディア運営側の責任として考えていくべきなのではないでしょうか。

これはユーザーに対してだけでなく、運営内部の働く環境への目配りも忘れてはいけないことです。目標の数値に到達させるために無理な作業をしていないか、運用をしていないか、過重労働になっていないか、現場の作業の安全面も注意する必要があります。

さらに、他社、他媒体ではどんな方法で情報の安全を守っているのか、そうした事例を共有しあうことも大事なことです。安全講習を開催する意義は、参考事例を聞くことで(建設現場では「安全講和」といいます)、安全に対しての自己啓発につなげると同時に、チーム全員で考えることに意味があるからです。

公的なガイドラインがあるわけでもなく、労働基準に抵触するようなことがない限り、何かあれば法令違反として厳密に処罰されるわけでもありません。直接、命に関わるような問題ではないこともあり、ネット業界はこうした安全に対しての意識はまだ低いようにも思います。

どんな現場であれ、作業していけば何かしらのアクシデントは起こります。安全確認は防止でもあり、今後の作業への確認でもあります。こうした確認しあう習慣が定着するようになれば、安全・安心なネットメディアの運営が可能になるのではないでしょうか。

ということで、今日も一日ご安全に。

 

<参考>

建設業法令遵守ガイドライン(第5版) - 元請負人と下請負人の関係に係る留意点 -
国土交通省土地・建設産業局建設業課 平成29年3月

https://www.mlit.go.jp/common/001178340.pdf

 

小さな会社のソーシャルメディアガイドライン導入マニュアル (NextPublishing) (専田 晋一・著) 

企業のためのソーシャルメディア安全運用とリスクマネジメント (福田 浩至・著) 

 (担当 村山ひでこ)

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最終更新日:2017年6月28日

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