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編集者目線で検証。iPad Proでの校正業務はどこまで可能なのか

4月26日に「編集者魂でiPad Proを使い倒す」という記事を投稿しましたが、この記事を読まれた方がツイッターで「iPad Proの仕様を校正で使いたいと考えてはいるのだけどまだ実行できていない」というような内容のツイートをされていました。そこで今回は「校正」に絞った形で書きたいと思います。仕事仲間からは、iPad ProとApple Pencilでの作業は興味があるようで、どんな風に使えるのかよく聞かれます。
何気にどう使えるのか、気になる人は多いようですね。

iPad Proでの校正は指示を出す人によって使い方も変わる

前回の記事は編集業務でも使えるツールということで「iPad Proにこんなアプリいれて使ってますよー」と、全般的な使い方をご紹介していました。

今回テーマは校正。ただ一口に校正といっても編集者、あるいは校正者から出す校正は、校正を出す対象者も違うし、それによって指示をする内容も異なるということをまず前提としておきます。

例えば、 プロの校正者から出す校正・校閲の指示は、誤字脱字等の文章上の間違いえの指摘や、事実確認が取れない事項への問題提起とその修正案など、あくまでも書かれている文言に対して間違いを指摘するものです。基本的には校正者→編集者に対して出すものになります。

一方、編集者から出す修正は、文章の間違いもありますが、主に内容や構成に対して出すもので、その指示はライター、デザイナー、直接印刷所さんへなど、場面によっては指示を出す人も代わり、その内容も違ったりします。

iPad Proでpdfゲラを確認するメリットとは

なぜiPad Proでわざわざ校正をするのか...。iPad Pro+Apple Pencilの組み合わせで、PDFに直接赤字を書き入れやすいというのが大きな利点ではありますが、iPad校正で便利なところはモニターが縦横自由というところです。

書籍・雑誌はよほどの変型版を採用しない限り縦長サイズです。私がメインで使っているPCは13インチのノートパソコンのモニターはもちろん横長です。

ゲラで出されるPDFはたいていの場合A4見開き(2ページ)。全面表示させると40%近く縮小されてしまうので、小さすぎて字は読めず、100%にすれば上半分くらいしか見れません。

一方、iPad Proだと、縦表示にすれば1ページ全体を見ることができるので、ゲラの確認がしやすいのです。私のiPad Proは9.7インチサイズのため若干縮小する必要はありますが、12インチサイズであればほぼ実寸で確認できるでしょう。

PDF校正ゲラは書き込むスペースがないのが辛いかも...

私見ですが、紙媒体での校正の場合だと、校正者がゲラ(校正用に出力した紙)に赤字をいれるのと同じように、iPad Proで校正用PDFにApple Pencilなどで赤字をいれるのは、媒体によっては厳しいものあるかも、と思います。字を書き込むことについては、ペンの感度もかなり高くなっているので、細かい字も書けるのであまり問題ないですが、PDFデータはゲラと違って余白があまりない! 紙であればトンボも含めて出力するくらい、仕上がりサイズよりだいぶ大きく出力されたりするのですが、PDFの場合は、基本的に断ち切りサイズで出力されているからです。

編集者の場合、どう校正指示をしているのか

 じゃあ、編集者の場合は?ということで私が担当している広報誌の場合では、次のような手順で校正を進めています。

※印刷所のディレクターさんとのやり取りです。

 【1.原稿チェック】Wordで校正をかけ、文章のチェックはWord上であらかじめ済ませる。

 【2.初稿チェック】印刷所からあがったゲラ(PDF)をiPad Proでチェック。レイアウトや写真、また追記文などの指示を書き込んで、返送。

※紙媒体なので、念のためプリントして、実際のサイズ感の確認もします。

 【3.2校(初校の修正版)】取材先もしくは執筆者チェック。先方のゲラチェック方法はさまざまです。PDFに直接コメントを入れて修正している、修正箇所をメールに直接記載して戻す、ゲラを一度プリントしてから赤字をいれ、それをスキャンして戻す場合も。

PDFに直接コメント入れてあるものは、問題がなければそのまま印刷所に戻します。修正の際の注意など、こちらで追記が必要な場合は、青字で記載し(ペンの色が選べます)、メールに修正文が記載されている場合は、PDFゲラに該当部分を転載。追記、差し替え用の文章が長い場合は、該当部分箇所に<差し替え>と指示し、文章はデータでディレクターさんへ。こうしておけばデザイナーさんは該当部分のコピペだけで済みます。

ウェブサイトの場合でもさほど変わりません。印刷所さんとのやり取りがデザイナーさんになるくらいです。

ほぼ場所を問わずにゲラチェックが可能に

現在受け持っている隔月刊誌と"ほぼ月刊"の広報誌(夏と冬は合併号になるので)が泊りがけ出張や移動も多い(というか長い)という状況。校正しないといけないタイミングと出張が重なることも多々あります。

先日は沖縄行き(仕事です!)飛行機の中で、前の人に座席を倒され、かつあの小さいテーブルでも、飲み物の邪魔にもならず、校正できるということがわかり、ささやかに感動しました。

※飛行機の場合、Wi-Fi対応機かどうかにもよります。また、出発当日に機体変更という突然の自体も起こるので、あらかじめオフラインでも見られるようにしておく必要あり。

編集者魂でiPad Proを使い倒す

でも記載したようにクラウドとの連携では、通信状態によってiPadで修正したデータが、クラウド上のデータに上書きされないということ以外にも、PCローカルの方にリアルタイムにちゃんと反映されないといったことも時折あるので、ちょっとした注意が必要ということも記載しましたが、直接、校正データをメールで送ってしまえばその問題もあまり気にならないと思います(自分へのCCも忘れずに)。

常に作業ができる環境を作ることが、はたしていいことなのかどうなのか、なんとなくモヤモヤとすることはありますが、工夫しながら使っていくことで、効率的に校正作業ができるのであれば、こうしてさまざまな使い方を編み出していくのも、面白い作業かもしれません。

 

(担当 村山ひでこ)

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最終更新日:2017年5月31日

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